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古着で夢を追う下北沢の若者たちに厳しい現実――取材Dが大切に感じた「信じた道を突き進む“青さ”」

2025年02月22日18時00分 / 提供:マイナビニュース

●異なるバックグラウンドを持つ登場人物たち
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で、16日に放送された『ボクと古着と下北沢~夢と現実のヴィンテージ~ 前編』。東京・下北沢で古着店を営む若者たちを追った作品で、23日に「後編」が放送される。

今回の登場人物たちに「しがらみのない自由さ」を感じたというのは、取材した椎名洋平ディレクター(スローハンド)。経営が順調に進まず、もがきながらも、奮闘する彼らの姿から、「自分の信じた道を突き進む“青さ”の大切さ」を受け取ったという――。

○一攫千金を夢見る若い人たちを取材対象に

今回のドキュメンタリーは、下北沢の変化を感じていたプロデューサーが提案。90年代後半の第一次古着ブームで自身も学生の頃に「めちゃくちゃ買っていた」ことや、通勤経路の下北沢を通るたびに現在の第二次ブームを目の当たりにしていたことから、取材が始まった。

200軒もの古着店がひしめき合う下北沢において取材対象に定めたのは、この1~2年で開業した人。「若い人を撮りたかったんです。最近は若い世代に“夢を追う”というイメージがあまり持たれていないと思ったので、古着に一攫千金を夢見るゴツゴツした若い人たちに興味を持ちました」と10軒程度に目をつけたという。

その結果、誰よりも古着愛が強い宝さん(34)と“相棒”の登生(とうい)さん(27)、経営者になるための資金を稼ぐ手段と言い切る現役大学生のあいりさん(20)、下北沢の若手経営者でも勢いに乗るヨウさん(23)と、バックグラウンドもタイプも違う個性的な若者たちの姿を映し出すことができた。
○令和の今、こんなに自由な人たちがいるんだ

彼らに共通して感じたのは、しがらみのない“自由さ”。「働いていると会社や業界のルールや制約がどうしてもありますが、古着業は普通のアパレル業と違って仕入れるものも値段も全部自分で決められるんです。仕入れ先だってアフリカに行ってもいい。令和の今、こんなに自由な人たちがいるんだというのが、最初の感想でした」と印象を語る。

「前編」の最後には宝さんと登生さんらが、合計8トン、1万着以上の服の山からひだすら掘り出し物を探す姿があった。

「12時間かけて交代で車を運転して倉庫に着いて、そのまま10時間、夜まで探してるんですよ。宝さんは“限界だからこそ、面白いピック(仕入れ)ができる”と言ってますが、あそこまでできるのは、やっぱり古着が好きだから。古着業界の人はみんな収集癖があって知識もすごいんです。この業界で成功したデザートスノーの鈴木(道雄)社長も、月の半分はタイの自社倉庫で毎日12時間ピックしていると言っていて、そういう人たちが古着店をやってるんですよね」

●預金残高9万円でも「俺、運がいいんで」
尋常ではない古着愛を感じさせる宝さん。どんなにピンチがあっても、いつも笑っているのが印象的だ。

「本当に動じない人でした。預金残高が9万円でも、“創業時からこれくらいだし”、“俺、運がいいんで、つぶれない自信があるんです“。落ち込んでいるのを、あまり人に見せないですね」といい、そんな人柄にひかれて仲間も集まってきているようだ。

この人柄というのは、古着店においてとても重要な要素なのだそう。

「古着なんて、フリマアプリでいくらでも買えますが、“彼の選んだもの”だから買いに来るという人が多いんです。店員さんに会いたくて遊びに行ったら、たまたまいい古着があるとか、そこにしかないものを得たい体験をしたいんです」とのことで、いかに常連客を作るかが勝負になっている。

「例えば、宝さんの場合、膨大な商品知識をもとに、その古着が生まれた経緯や背景、その価値をストーリーテラーのようにとうとうと語り、客を“宝ワールド”に引き込む。元准看護師で業界歴が浅い登生さんは、自分が詳細を把握していない古着は、客に教えてもらいながら関係を築き、いつの間にか、弟のようにかわいがられています

ヨウさんの店は、あえて夜10時まで営業し、遅い時間は、友人たちの溜まり場のような雰囲気で接客し、ファンを増やす。そして、あいりさんは、抜群のコミュニケーション力とSNSを駆使し、また来たいと思う店づくりを意識しているんです」

接客方法も仕入れる商品も、店が売れるか売れないかも、すべては自分の裁量次第。椎名Dは第一印象で彼らに「自由」を感じていたが、皆“孤独”がつきまとっているようにも受け止めたという。

○追い詰められていく中で、人はどう生きていくのか

今回の取材を通して、「“青さ”を持つことは、すごく大事なんだと思いました」という椎名D。「うまくやるだけが良いことじゃないし、つまずくことや挫折することも必要だなと思ったんです。僕も、“うまいこと番組を作る”というよりも、“自分が面白いと思ったものにこだわりたい”タイプなのですが、簡単に貫けるものではない。でも、改めて自分の中にある“青さ”を押し殺すことなく、大事にしていこうと思いました」と、気持ちを新たにしたそうだ。

23日放送の「後編」では、常にポジティブ思考だった宝さんが古着の山を前に「本当に超やばい。相当やばい」と焦り、登生さんが「もう限界です」と吐露するほか、ヨウさんやあいりさんが「オープンしてから最低でしたね」「ここまで(客が)いないとやる意味ないかな」と激減する売り上げを嘆く姿が。

椎名Dは「追い詰められていく中で、人はどう生きていくのか。店の行く末だけでなく、その人の、生き方が表れるのが、見どころになります」と予告している。

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