2023年06月23日12時05分 / 提供:TRAICY(トライシー)
「ちいかわ」が人気だ。イラストレーターのナガノさんが2020年からTwitterに投稿している漫画のことで、企業とのコラボグッズは“瞬殺”になることも多い。3月に東海道新幹線とのコラボでちいかわ駅弁が発売された際は、東京駅や名古屋駅に長蛇の列ができ、早朝4時台から購入整理券が配布されるほどだった。 ご存知ない方のために簡単に紹介しておこう。主人公のちいかわと、その仲間のハチワレ、うさぎが送る日常を描いたこの物語は、ほのぼのとしたハートフルストーリーかと思いきや、突然謎の怪物に襲われてバトルが始まることもある。その目まぐるしい世界観の中でひたむきに生きるちいかわたちの姿が老若男女の心を捉えており、公式Twitterのフォロワーは約225万人(2023年6月現在)に及ぶ。 そんなちいかわは早くも海を越え、台湾にも進出している。2021年11月には現地向けの公式Instagramアカウントがオープン。台湾限定のオリジナルグッズも登場した。その一つが、交通系ICカードの「Easy Card(悠遊カード)」。日本で言えばSuicaやPASMOにあたるカードだ。 ▲台湾ではハローキティやポムポムプリン、ぐでたまなど、サンリオのキャラクターが人気(悠遊カード公式サイトより) 悠遊カードは券面のバリエーションが豊富で、日本のアニメや漫画とコラボしたものも少なくない。「ドラえもん」や「ポケモン」といった定番キャラクターだけでなく、「ハイキュー!!」や「SPY×FAMILY」など、最近のジャンプ系アニメを題材にしたデザインのカードも発行されている。その中にちいかわも仲間入りを果たしたというわけだ。 悠遊カードの公式サイトには、これまで発売された券面デザインが一通り載っている。それによればちいかわデザインは、カードタイプの「星空版」「ブランコ版」、「パジャマパーティ版」、「QQ版」と、キーホルダータイプの「必勝お守り版」「QQ版」の6種類があるらしい(取材時点)。ちなみにQQというのは、日本語で言えば「(泣)」のような意味を持つ顔文字である。 普段からLINEでちいかわスタンプを乱用している筆者。折しも別件で台湾取材の機会があったため、合間の時間でちいかわ悠遊カードのコンプリートに挑戦した。 現地コンビニ巡りの旅へ 悠遊カードは基本的に現地のコンビニで販売されている。ちいかわデザインのものは、セブンセブンイレブンとファミリーマートで取り扱いがあるようだ。各店舗では様々なデザインのカードがごちゃまぜで入荷されているようなので、全種類集めるには複数の店舗を巡らなければならない。 台北・松山空港に到着し、まずはターミナル内にあるセブンイレブンへ。台湾到着時にここで悠遊カードを買ったことがある人も多いのではなかろうか。 レジ横のスタンドを探してみると、さっそく発見。最初にゲットしたのは「パジャマパーティ版」だ。日本語でそのまま「パジャマパーティ」と書かれているのが微笑ましい。ちなみに、コンビニで売っている悠遊カードは残高ゼロなので、すぐ使いたい場合は購入時にチャージしてもらおう。 空港で早くも1枚目を手に入れて好調な出だし……かと思いきや、ここから前途遼遠なコンビニ巡りの旅が始まってしまう。 中心街では品薄か? 空港から台北駅に移動し、駅南側のエリアへ。この辺りはコンビニが高密度に集中して出店しているため効率的に巡れそうだが──。 ▲「ブランコ版」。購入時に写真を撮り忘れたので後日撮影 1時間ほどかけて20店舗ほど回り、見つけたのは「ブランコ版」の1種類のみ。主要駅前で人通りが多いということもあり、タイミング悪く売り切れていたのかもしれない。 ▲MRTで雙連駅へ。奥に写っている青い看板の店が冰讃 歩き疲れてしまったので、休憩がてらMRT(地下鉄)に乗り、日本人観光客に人気のかき氷店「冰讃」を訪れた。マンゴージュースを買って一息つく。 店の向かいセブンイレブンがあったので覗いてみると、キーホルダータイプの「必勝お守り版」が見つかった。ようやく3種類目をゲットだ。 ▲合格祈願のお守り型。色々な形状のカードがあっておもしろい こちらはカード自体がお守りのような形になっていて、ハチワレが日本語で「がんばってね〜!!」と言いながら、必勝だるまに目を入れている。ちなみに、カードタイプは1枚100元(約450円)なのに対し、こちらは189元(約850円)と少し高い。 台北駅裏でも捜索 その後、所用を済ませて再び台北駅へ。今度は駅裏にあたる北側を探してみよう。このあたりは繁華街の南側と比べて閑静な町並みだ。 ファミマで買った台湾茶を片手に巡回していると、セブンイレブンでカードタイプの「QQ版」を発見。ちいかわと言えば“泣いちゃった”顔が象徴的ではあるが、なぜ敢えてこのイラストを採用したのだろう。 ▲すでに蒸し暑い初夏の台湾。そろそろちいかわよりも筆者が泣いちゃいそうである さて、残るは「星空版」とキーホルダータイプの「QQ版」なのだが、この2つがなかなか見つからなかった。このまま台北市内で探し続けるより、いっそ地方都市に行ってしまったほうが早いのではなかろうか。 ちいかわたずねて百公里 ということで、台湾鉄道に乗ってやってきたのは、台北から特急で約1時間半の宜蘭県・礁渓郷。温泉地として知られるのどかな街である。台北を東京とすれば、湯河原のようなイメージだろうか。 到着してさっそく向かうのは温泉宿でも観光案内所でもなく、駅前のセブンイレブン。果たして──。 あった! 最も探し求めていたキーホルダータイプの「QQ版」だ。これまた涙目のちいかわと、何故か草のチャームも付いている。これを改札やカードリーダーに押し当てるシーンを想像すると、なかなかシュールである。