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これが匠の桂使い! 伊藤叡王が斎藤八段の構想撃破でタイに 第10期叡王戦五番勝負第2局

2025年04月21日11時30分 / 提供:マイナビニュース

伊藤匠叡王に斎藤慎太郎八段が挑む第10期叡王戦五番勝負(主催:株式会社不二家)は、挑戦者先勝で迎えた第2局が4月19日(土)に石川県加賀市の「アパリゾート佳水郷」で行われました。対局の結果、相掛かりのねじり合いから抜け出した伊藤叡王が120手で勝利。貴重な後手番ブレイクで1勝1敗のタイに戻しています。
○斎藤八段の用意は相掛かり

連勝となれば早くも奪取に王手の斎藤八段、相掛かりの作戦を選んだことからは先手番らしく積極的に主導権を握りたい意図が見て取れます。先後同型に進んだ中盤戦は数年前からじわじわと実戦例を増やしている持久戦で、たがいに中住まいに組んだあとはどこから戦いが始まるかに注目が集まりました。斎藤八段は手損を承知の上で角交換を敢行します。

斎藤八段の工夫は直後に現れます。左桂を積極的に中段に跳ね出したのは桂交換をきっかけに左辺の駒をほぐす狙いで、この構想を境に実戦例のない戦いがスタート。ともに一手一手じっくりと考慮を繰り返して終盤戦が近づきますが、ペースを握ったのは後手の伊藤叡王の方でした。中央に桂を据えて銀取りとしたのが先手の桂交換を逆用する絶好手です。

○明暗分かれた桂の働き

伊藤叡王の攻め手は止まりません。1筋の歩突きを手抜いたのは自玉の遠さを生かす好判断で、このタイミングで攻め合いを志向して跳ねだした左桂が主役となりました。直後、攻めの要に思われた角を桂との交換で切り飛ばしたのが一局を制する決め手。手順に先述の左桂をさばく形で角銀両取りの手筋が決まり、攻めが筋に入った格好です。伊藤叡王は中央に銀桂を密集させる形で厚みを築いて玉頭戦を乗り切ります。

終局時刻は19時28分、最後は自玉の受けなしを認めた斎藤八段が投了。終盤の押し引きでは先手から粘る手段があったとされたものの、全体的に見れば仕掛けから一度もリードを許さなかった伊藤叡王の桂使いが光る快勝譜となりました。敗れた斎藤八段は「ずっと苦しい局面が多く課題が多かった。仕掛けが無理だったか」と一局を総括しました。

これで五番勝負は1勝1敗のタイに。どちらが先にタイトル獲得に王手をかけるか、注目の第3局は5月4日(日)に愛知県名古屋市の「か茂免」で行われます。

水留啓(将棋情報局)

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