2025年04月20日06時00分 / 提供:マイナビニュース
フジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』(毎週水曜22:00~)の第2話(23日放送)が、FODで先行配信されている。
主人公は、命の最前線=修羅場で、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスーパー救命医・杏野朱羅(松本若菜)。命を助けたい、その純粋な思いと卓越した技術で患者を救う姿を描いていく。
○師匠の変わりように言葉を失う
帝釈総合病院に杏野朱羅の元上司・多聞真(渡部篤郎)が帰ってきた。理事長の阿含百合(片平なぎさ)が国際帝釈病院を設立するために海外から呼び戻したのだ。しかし朱羅は、多聞の変わり様に言葉を失う。
救急隊員の吉祥寺拓巳(猪塚健太)によりストレッチャーで男児が運び込まれてくる。男児は川に転落し、心肺停止状態になっていた。彼の体の冷たさに薬師寺保(佐野晶哉)はひどく動揺する。懸命に心臓マッサージを続ける保だが、1時間が経過し、次第に諦めの表情をみせ動きを止める。そんな保を押しのけて朱羅は心臓マッサージを始める。
○「研修医だろうが、目の前の患者の命に責任を持ちなさい」
初日から次々と患者が運ばれ、朱羅の指示のままに振り回される保。救命科の現場は一刻の猶予も許されず、研修医といえども、ハードルの高い技術が要求される。
保役の佐野晶哉の熱演ぶりは、実に“リアル新人”ぶりを醸し出している。そもそもさほど高い志を持っているとも思えないが、“修羅場”の連続に体当たりで挑戦。しかしそう簡単に思うようにはいかず、自分の無力さを感じる。それが現実なのではないだろうか。そんな保の不安気な表情とオドオドした行動に、ネットではすでに「ポンコツが似合いすぎる」という書き込みも見られる。
自分の非力さや不甲斐なさを感じ、どんどん追い込まれていく保だが、朱羅は容赦ない。「修羅場で迷いは命取りになる。研修医だろうが、目の前の患者の命に責任を持ちなさい」――厳しい言葉だが、この言葉は保に“使命感”を抱かせ、一歩踏み出すきっかけに。
その一方で保は、朱羅の“医師としてのスタンス”に疑問を持つ。朱羅が助けた患者が他の医師に礼を述べる姿を見て合点がいかない。しかし朱羅は「感謝されるために助けたわけじゃない」と言う。あくまでも命が救われたことが大事なのだ。救命科の閉鎖に対しても「坊主(保)が心配するようなことじゃない」と一言。患者の命を救うこと以外は決して声を荒げることもなく、興味がないようだ。
今はまだ、すべてに感情的な駆け出しの研修医・保だが、朱羅の言動に突き動かされ、導かれ、心身ともに成長していく姿が見たい。そして、追い詰められた表情で「僕には無理です」「先生、助けてください」と言う回数が徐々に減って、笑顔を見る日が待ち遠しい。
○早くも阿含VS不動の権力闘争勃発、動き出すそれぞれの思惑
医療ドラマといえば、医師が真摯(しんし)に患者と向き合う一方で、必ずと言ってもいいほど病院内の権力抗争が登場する。
理事長・阿含は第1話で早くも“切り札”を送り込んだ。まずは、朱羅が信頼を置くかつての師匠・多聞だ。多聞は、朱羅が再会の余韻に浸る間もなく、あっけなく救急科の閉鎖を告げてしまう。朱羅のことを一番理解し、その力量を最も認めている多聞からのまさかの宣告だ。それは本心なのか、それとも何か別の目的があるのか。
そして阿含と多聞の親密な様子に、国際帝釈病院院長の座を狙う不動勝治(佐野史郎)は全く面白くない。新病院設立に向けて、早くも阿含VS不動の構図が浮かび上がる。
阿含の次の切り札は、“成功率99%”を誇る心臓血管外科医・梵天太郎(荒川良々)。しかし当の梵天は、阿含の意思とは別に、何らかのたくらみがあるようだ。“成功率99%”は決して手術だけではないのかもしれない…そう匂わせる。
それぞれの思惑が交錯する中、“降格は避けたい”救急科科長の大黒修二(田辺誠一)と、そんな大黒をバカにし“出世したい”金剛又吉(鈴木浩介)。大黒は不動にひたすら頭を下げて懇願し、金剛は自分に任せるようにとささやく。この2人の不動への分かりやすいアプローチとオーバーアクションは、緊迫したシーンが連続するこのドラマにおいてちょっとしたクッションになっていて、クスっとさせられる。
しかし、そんな“権力抗争”は朱羅に関係ない。病院内の権力闘争には無関心で、ひたすらに患者の命を救うことだけを貪欲に考える朱羅。その想いと、患者が助かることが一番大切なのだということが、伝わることを願う。