2025年04月18日17時06分 / 提供:マイナビニュース
日本電信電話(以下、NTT)は4月18日、ドローンを使用して雷を誘発・誘導する実験に成功し、ドローンの耐雷化技術および電界変動を利用した雷誘発技術の有効性を実際の雷で実証したことを発表した。
○実証の背景
落雷は人類社会に大きな被害をもたらす自然現象の一つだ。NTTグループの通信設備をはじめ重要インフラには落雷対策が施されているが、依然として落雷被害は無くなっておらず、被害額は国内だけでも毎年1000億円から2000億円と推定されている(電気学会技術報告第902号:2002年)。
従来の雷対策は避雷針を用いる手法が広く使われているが、避雷針によって雷を受ける範囲は限定的であり、風力発電の風車や屋外のイベント会場など避雷針の設置が困難なケースも存在する。
そこでNTTでは、雷雲の位置に合わせてドローンを移動させ、積極的に雷を誘発した上で安全な場所に誘導する「ドローン誘雷」について研究を進めている。今回の実証では、ドローンに雷が直撃しても誤作動・故障を発生させない「ドローンの耐雷化技術」、および積極的に雷をドローンに落とさせる「電界変動を利用した雷誘発技術」を確認するため、実際の雷雲下でドローン誘雷実験を実施した。
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