2025年04月16日08時48分 / 提供:マイナビニュース
The Registerは4月14日(現地時間)、「VMware revives its free ESXi hypervisor」において、Broadcom傘下のVMwareが「VMware vSphere Hypervisor」の無償提供を再開したと伝えた。VMware ESXi 8.0 Update 3eのリリースノートにおいて明らかにされたもので、Broadcomのカスタマーサポート ポータルからダウンロードできる。
○vSphere Hypervisorの無償提供は2024年2月以来のこと
vSphere Hypervisorは、ハイパーバイザー型の仮想化プラットフォーム「VMware ESXi」の無償版だが、BroadcomがVMwareを買収し、VMware製品の永続版ライセンスを廃止したことに伴って、2024年2月に提供が終了していた。
VMwareはこのたび、ESXiの最新版となるESXi 8.0 Update 3eをリリースしたが、そのリリースノートには、「Broadcomは、エントリーレベルのハイパーバイザーであるVMware vSphere Hypervisorバージョン8を提供しています」という記載があり、「Broadcomサポート ポータルから無料でダウンロードできます」という説明が続いている。
Broadcomサポート ポータルにアクセスするには、アカウントを登録する必要があるが、これは無償で行える。ESXi 8.0とvSphere Hypervisorで提供される機能の違いなどは説明されていない。
The Registerでは、VMwareが無償版の提供を再開した理由を、パートナーやユーザー企業がテスト環境やトレーニング環境において容易に同社のハイパーバイザー製品に触れられるようにするためだと推測している。
VMwareを使用する企業は、人材育成のために手軽に利用できるテスト環境やトレーニング環境を必要としているが、そのためにサブスクリプションに加入するのはコストがかかりすぎる。他の競合企業は無料版の提供を行っていることから、VMwareもそれにならう必要があったのではないかということだ。
無償版の提供が再開されたことは喜ばしい。しかし、一貫性を欠く頻繁な方針の転換は、結果的にユーザーの信頼を損なうことにつながる。vSphere Hypervisorについては、まだ情報が不足しているため、商用利用や大規模環境での利用については、今後の公式発表を待ってからにした方がいいだろう。