2025年04月14日10時31分 / 提供:マイナビニュース
休日と祝日が連続しない、2025年のゴールデンウィーク。旅行先を決めあぐねている人も多いのではないでしょうか。オンライン旅行サイト大手・エクスペディアグループの木村奈津子さんに、いまオススメの国内・海外旅行先を伺いました。
○円安とインバウンド需要が日本を直撃
円安が続く中、国内旅行はインバウンド需要で混在し、海外旅行にかかるコストは上昇。お出かけ先に迷っている方は多いのではないでしょうか。とくに2025年のゴールデンウィーク(以下、GW)は休日と祝日が飛び石状態になっており、周囲からは「旅行先が決められない!!」という声も聞こえてきます。
そこで本インタビューでは、エクスペディアホールディングス 代表取締役 兼 エクスペディアグループ リテール日本統括ディレクターの木村奈津子さんに、現在の旅行業界の動向や、賢い旅行の選び方について詳しくお話を伺いました。
○国内旅行を狙うなら「沖縄」「奈良」
現在インバウンド需要は非常に伸びており、国内のホテルはのきなみ高値が続いています。これは事実ですが、インバウンドは東京・大阪などの主要3都市に集中している傾向があり、それ以外の地域ではまだ混雑も少なく、価格も比較的安定しているそうです。
そんな木村さんが国内旅行先としてイチオシするのが「沖縄」です。
「沖縄は日本人にとってメジャーな旅行先で、東アジアの方にも一定の認知がありますが、欧米からの直行便がないので、欧米の方の中にはまだ知らない方がたくさんいます。東京経由で沖縄はハードルが高いですしね」(木村さん)
エクスペディアにおける沖縄の検索数は、2024年度が前年比約60%増。十分伸びていますが、その理由のひとつが東京・大阪・京都と比べてのリーズナブルさにあるそうです。加えて、国内でありながらも異文化を感じられる点、自動車がなくともそれなりに観光できる点も人気の秘密です。
もうひとつのオススメ国内旅行先は「奈良」です。
古都の風情を味わえる街ながら、京都から40分ほどで行くことができます。インバウンドも増えてきていますが、京都の過密さと比べると大きな差があります。とはいえ、奈良公園の鹿などは徐々に海外でも知られるようになってきました。コスパ良く快適に文化遺産を巡るなら、いまがチャンスかもしれません。
○海外旅行ならベトナムの「ダナン」「ホイアン」
円安の影響は大きく、ハワイに行きたくても気軽に行けないと悲しんでいる人は多いはず。ですが、まだまだ穴場はあると木村さんは話します。
木村さんが海外旅行先としてイチオシするのは、ベトナムの「ダナン」「ホイアン」です。
「私も検索して『まだこの値段だなんて!!』とびっくりしたのですが、物価も比較的まだ安価なため、素敵なホテルでの滞在を楽しむラグジュアリーな旅をするならオススメです」(木村さん)
ベトナムはコスパの良い旅行先として知られていますが、五つ星ホテルと組み合わせても3泊4日・航空券込みで6~7万円から旅ができるそうです。ダナンとホイアンというふたつの年を組み合わせることで、一度の旅行でビーチリゾートと世界遺産の街並みをあわせて楽しむことができます。
なお、「それでもハワイに行きたい!!」という方には繁忙期を避けた旅行をオススメするそうです。またコストがかさむのは現地での食費となるので、コンドミニアムなどを借りて、現地で食材を買って過ごすという楽しみ方を提案します。
○2025年GW、旅行の日程をどう組み立てる?
では、飛び石連休になっている2025年GWはどんな旅程を組むべきでしょうか。木村さんは「やはり日程をずらすこと。逆張りをいかにできるかです」と明言します。
例えば、4月24~25日に出発して帰りを27日にする、5月5~6日に出発して9日に帰るといった日程です。お休みとの兼ね合いで難しいのは確かですが、一日ずらすだけでも価格は大きく変わります。
「旅費の大半は航空券。一週間のうち、もっとも航空券が安くなる出発日は木曜日です。また、一番おトクに航空券を予約できるのは日曜日で、金曜日に予約する場合と比べると平均約26%安くできます。エクスペディアのアプリ機能、プライストラッカーなどを使って、ダイナミックプライシングをうまく利用してほしいと思います」(木村さん)
合わせて、「航空券とホテルの最安値をそれぞれ狙っても、セット割より高くなることもある」とアドバイス。エクスペディアのパッケージレートが適用されると、ホテル一泊無料や航空券全額オフも狙えるのでチェックしてみましょう。またエクスペディアの会員価格やセールなども狙いどころだそうです。
さらに木村さんは、現在の海外情勢を踏まえた注意点についても言及します。
「国によって求められるパスポートの残存期間が異なるので、出発前によく確認してください。ビザの要件が変わってきているため、これまでいらないと思っていた国でも必ず再チェックを。コロナ禍以降、クレジットカードの海外保険に見直しが入っていますので、これも要チェックです。またずっとある問題ですが、予約の際に姓名を逆に入力してしまいがちなので、十二分にお気を付けください」(木村さん)
○木村さんの思い出に残る旅行先は?
木村さんは、ソニーやAmazonなどのグローバル企業で勤務した後、まだ社員が10名ほどだったエクスペディアグループに転職。それから17年間在籍しています。これまでに40都市以上の渡航経験を持ち、とくに異文化体験ができる場所によく旅行に行くそうです。
「旅行に行くときはなるべくアクティビティや予定を詰めすぎずに、自由な個人旅行にしています。現地でスーパーに行ったり、街をブラブラしたり、そんな旅を20代からしてきました。エクスペディアで働こうと思ったのも、自分が消費者として好きなことをすると心が入って楽しいからです」(木村さん)
そんな木村さんに「思い出に残る旅行先」を伺ってみました。
「若いころに行ったスペイン『マラガ』の女子旅は最高に楽しかったですね。パリのシェアハウスで知り合った人と、その彼女の友人という、まだお互いよく知らない女性3人での旅行だったのですが、奇妙な共通点があり、すぐに意気投合しました」(木村さん)
3人旅行では、ホテルだとひとりが簡易ベッドになってしまうということで、バケーションレンタルで民家を借り切って過ごしたと言います。“コスタ・デル・ソル”として知られる街並みは木村さんの目から見てかわいらしく、映画の中にいるような体験ができたそうです。
「もうひとつは、新婚旅行で行った『スリランカ』です。紅茶畑の中を電車が通っていく光景は忘れられません。あとご飯がすごくおいしくて、カレーがメインですが、インド料理よりもずっと油が少なくてあっさりしているんですよ。それから日本でもスリランカ料理店を探してしまうようになりました」(木村さん)
スリランカはモルディブの経由地でもあるそうで、モルディブ旅行のついでに1~2泊してみるのも良いかもしれません。
「旅の目的は人によって違うと思いますが、『人生に大きな価値をもたらす』という点は共通していると思います。エクスペディアグループには"We Believe Travel Is a Force for Good"というスローガンがあります。より多くの人が海外に足を運ぶことが世界平和に繋がり、自分の成長にも繋がると信じているのです」と、木村さん。
そして最後に、「旅行には体力と健康が必要で、人生は短いものです。先延ばしにしたら大切な人たちと出かけることもできなくなってしまうかもしれません。時間は買えませんから、行けるときに旅行に行って欲しいと心から思います。ものを買うよりも、思い出や経験にみなさんも投資してみませんか?」と、旅にかける想いを語りました。