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まぶたが重くて開けづらい……眼瞼下垂かも? 原因と具体的な症状について解説

2025年04月08日10時00分 / 提供:マイナビニュース

まぶたが重い、目を開けづらいと感じたり、「いつも眠そう」と言われたことはありませんか? もしかしたらそれは眼瞼下垂(がんけんかすい)かもしれません。

生まれつき眼瞼下垂の人もいれば、大人になってから眼瞼下垂になる人もいます。放置しておくとまぶたがさらに下がって見えにくくなり、見た目にも影響します。どんなものが眼瞼下垂か、詳しく知るとともに治療方法についてもチェックしておきましょう。

○■眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とは、まぶたが下がってきて見にくくなる状態のことです。その結果、まぶたに隠されて上の方が見にくくなります。

なお、眼瞼下垂は生まれつき(先天性)のものと、加齢などによって後からなるもの(後天性)に分けられます。また、眼瞼下垂に似た状態のもの(偽眼瞼下垂)もあります。
○■眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂の原因は、上まぶたを上げる筋肉の力が弱まったり、上まぶたと筋肉をつなぐ腱が弱くなるかはがれたり穴が開くことです。

上まぶたは、上眼瞼挙筋とミュラー筋が伸縮して開け閉めしています。この筋肉やそれを動かすための神経にトラブルが起こると、上まぶたを正常に開け閉めできなくなるのです。

「先天性の眼瞼下垂」と「後天性の眼瞼下垂」で、具体的な原因は異なります。
○<先天性の眼瞼下垂の原因>

生まれつきの眼瞼下垂の多くは、「単純性眼瞼下垂」です。
まぶたを上げる筋肉が十分に発達せずに、硬く伸びにくい繊維組織が混ざった状態となっています。ほとんどの場合、片側のまぶただけに眼瞼下垂が見られます。
○<後天性の眼瞼下垂の原因>

後天性の眼瞼下垂の主な原因は、加齢によって上眼瞼挙筋の腱が伸びたり、はがれたり、穴が開くことです。

特にコンタクトレンズを使っている人(中でもハードコンタクトが多い)、眼の手術の際に眼を開ける器械を使った人に多く見られます。

その他、外傷、神経麻痺、重症筋無力症、緑内障の薬の長期点眼、外眼筋肉の変性、ホルネル症候群、ボツリヌス毒素の注入、腫瘍などによっても眼瞼下垂は起こります。外傷の場合は組織を修復して半年間、経過観察をすることになります。また、ボツリヌス毒素を注入した場合だけは、3~4カ月経つと症状が落ち着きます。
○<偽眼瞼下垂の原因>

別の病気が原因で、眼瞼下垂のように上まぶたをあげにくくなるものもあります。まぶたの皮のたるみ、顔面神経麻痺や加齢による眉の下がり、眼瞼けいれん、眼球がない・小さい、眼の周りの骨折、甲状腺眼症、外斜視などです。

眼瞼下垂なのか偽眼瞼下垂なのかは、一般の人にはなかなかわからないので、上まぶたを開けづらいと思ったらまずは眼科や形成外科で診察を受けましょう。
○■眼瞼下垂の具体的な症状とは

眼瞼下垂の主な症状は、上まぶたがしっかり開いていないことです。症状が重くなるほど上まぶたは下がりがちになります。そのため見えにくくなったり、眠そうな外見になったり、肩こりや頭痛、疲れが起こりやすくなります。

先天性の眼瞼下垂の場合、その他にも症状が見られます。
○<先天性の眼瞼下垂ならではの症状>

先天性の眼瞼下垂は、ほとんどの場合、まぶたや眼の動きに異常は見られません。上の方が見えづらいため、成長とともに、少しでも見ようとして顎をあげた姿勢になったり眉を上げるようになります。

なお、片方だけが眼瞼下垂になっていると、弱視となることがあります。そのため、片方だけ眼瞼下垂だとわかった際には、弱視予防のためしっかりと経過観察を行います。症状によっては、生後6カ月以降に手術をするケースもあります。

また、片側だけの先天性眼瞼下垂の場合、「まぶたを上げる筋肉」と「口を開閉したり左右に動かす筋肉」の神経がつながって、口を動かすたびにまぶたが動く「マーカスガン現象」が見られる場合もあります。
マーカスガン現象自体は視力に影響しませんが、将来幼稚園や保育園の給食などで食べるたびにまぶたが動くのを他の子にからかわれる可能性があります。そのため、保護者の方の希望に合わせて、入園・入学前に手術を行うこともあります。
○■眼瞼下垂の予防方法

先天性の眼瞼下垂の場合、生まれつきのもののため予防はできません。
症状に合わせて経過観察や手術を行うことが大切です。

後天性の眼瞼下垂の場合は、次のことを心がけることで多少起こりにくくすることはできます。

・コンタクトレンズの使用期間を減らす
・まぶたをこする癖があればやめる
・花粉症やアトピー性皮膚炎など、まぶたに触れたくなる原因があれば治す

ただし、加齢や外傷、神経麻痺などが原因の眼瞼下垂は予防できません。上まぶたが重い、眼を開けづらいと感じたら、症状を抑えたり予防しようとするのではなく、早めに医療機関を受診し、症状に合わせて適切な手術などを受けるのがおすすめです。

最後に眼瞼下垂の予防法に関して、形成外科の専門医に聞いてみました。

眼瞼下垂とは、何らかの原因で瞼が下がる疾患のことを言います。生まれつき瞼を開ける筋肉の欠損や働きが悪いことで起きてくる先天性眼瞼下垂と、加齢やコンタクトレンズの長期使用などにより瞼を開ける筋肉の膜(挙筋腱膜)が伸びたり外れたり周囲組織と癒着することで起きてくる後天性眼瞼下垂があります。先天性のものは予防が難しいですが、後天性の下垂については目を擦らないようにする、コンタクトの着用時間を短くするなどの工夫で予防することは可能です。加齢による下垂の進行自体は予防が難しいですが、日々の生活で愛護的に瞼に触れるようにすることは将来のために大切な習慣です。

眼瞼下垂の中には頭蓋内の疾患や全身性の疾患が原因で起きてくるものもありますので、瞼の下がりが気になり始めたら進行する前に早めに医療機関に受診いただくことをおすすめします。

○野田 慧(のだ けい)先生

一宮西病院 形成外科/部長
資格:日本形成外科学会 形成外科専門医

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