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住宅ローンの団信、どこまでつけるべき? 団信の種類と年代別の選び方

2025年03月28日17時00分 / 提供:マイナビニュース

住宅ローンは多くの場合、数千万円という大きな金額を長い期間にわたって返済していくものです。その間に契約者が死亡したり、病気やケガなどで働けなくなったりする事態に備えるために、団体信用生命保険(団信)があります。

あまり考えずに一般の団信を契約して、あとから「がん」も保障してくれる団信があると知って後悔する人もいるようです。団信は一度契約してしまうと(借り換えをしない限り)後から変更することはできません。そこで、特約付きの団信はどんなものがあるのか、どんな人に向いているのかなど、団信を検討する際のポイントをお伝えします。

団体信用生命保険(団信)の基礎知識

まずは、団体信用生命保険(以下、団信)の仕組みについて解説します。

団信は、ローン契約者が返済期間中に死亡または高度障害状態になったときに、保険金によって残りの住宅ローンが完済され、残された家族が返済の負担を負わずに済む仕組みの保険です。

金融機関を保険契約者および保険金受取人、ローン契約者を被保険者とする保険であるため、ローン契約者にお金が入ることはありません。保険金額はローンの残債、保険期間はローンの返済期間、途中解約は不可と最初から決められています。
保険料

団信の保険料は、住宅ローンを契約する際に金利に含まれることが一般的です。後ほど説明する「特約」を付加する場合は、金利が上乗せされる方式と別途保険料が発生する方式があります。
保障内容

一般的な団信は「死亡・高度障害」のみを保障しますが、近年は「がん団信」「3大疾病保障付団信」「8大疾病保障付団信」など、保障内容を充実させた特約付きの団信が増えています。これらの特約を付けることで、万が一の際に備えられる範囲が広がります。
加入時の注意点

団信への加入には健康状態の告知が必要です。持病があると加入できない場合があります。その際は、加入条件が緩和されている「ワイド団信(引受基準緩和型)」を検討するといいでしょう。また、特約付きの団信は、年齢が上がるほどリスクが高くなるため、年齢制限によって加入できないケースもあります。検討する際は加入条件をしっかり確認しましょう。

「特約付き団信」にはどんなものがある?

特約付き団信は金融機関によってさまざまなラインナップがあります。ここでは、代表的な特約付き団信について解説します。
がん保障付団信

がん(悪性新生物)に対する保障をプラスした団信です。所定のがんと診断確定された場合に、住宅ローンの残債の全額または一部が保険金で返済されます。がんの進行ステージは問われないため、I期などの初期段階であっても、所定のがんと診断確定されれば保険金が支払われます。

がん団信には、金融機関によって、「がん50%保障団信」や「がん100%保障団信」などがあります。「がん50%保障団信」は住宅ローンの残債の50%が保障されるもので、金利の上乗せがない場合が多いようです。「がん100%保障団信」は住宅ローンの残債の全額が保障され、年0.1%~0.2%程度の金利の上乗せがあるのが一般的です。
3大疾病保障付団信

「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」の3大疾病に対する保障をプラスした団信です。ローン契約者がこれらの疾病にかかり、所定の状態に該当した場合に、住宅ローンの残債が保険金で完済されます。年0.1%~0.3%程度の金利の上乗せがあるのが一般的です。

金融機関によって保障の範囲や条件が異なるため、所定の状態がどのようなものか確認しておきましょう。急性心筋梗塞、脳卒中の場合は手術をするか60日間所定の状態が継続した場合に支払われるケースが多いようです。また、疾病保障の団信は、年齢制限や健康状態による加入制限などもあるので注意しましょう。
8大疾病保障付団信

取り扱っている金融機関は限られますが、3大疾病に加えて、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎の保障が付いた「8大疾病保障付団信」もあります。5つの重度慢性疾患の保険金の支払い条件は、12ヶ月以上就業不能状態が継続した場合とするケースが多いようです。年0.3%~0.4%程度の金利の上乗せがあるのが一般的です。
全疾病保障団信

一般団信に加えて、すべての病気やケガが原因で就業不能状態が一定期間(1年以上など)継続した場合に、住宅ローンの残債が保険金で完済されます。全疾病保障は、他の団信に付随して無料で付いている場合が一般的です。中には単体で提供している金融機関もあり、その場合は金利の上乗せがあります。全疾病保障が他の疾病団信に付随している場合は、50歳以下でないと加入できないケースが多いので注意が必要です。なお、精神障害は支払い対象外となっている金融機関が大半です。
特約付き団信の選び方

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性62.1%、女性48.9%(2020年データ)です。およそ2人に1人と考えると、がん保障や3大疾病保障を検討する意味は大いにあります。とはいえ、特約を付けると金利が上がってしまうデメリットも。そこで、特約付き団信を検討する際のポイントを年代別にお伝えします。
20代・30代の団信の選び方

20代・30代は、がんやその他の病気にかかる確率は低いため、金利が多く上乗せされる保障範囲の広い団信を選ぶ必要性は低くなります。加入必須の一般団信に加入していれば、万が一の保障はあるので、無理に特約を付ける必要はないかもしれません。それよりは、コストを抑えてできるだけ返済を楽にした方がいいでしょう。年齢と健康状態によっては、無料で金利上乗せなしの特約が付けられる場合もあるため、そのような団信を扱っている金融機関を探してみるのもいいでしょう。
40代・50代の団信の選び方

がんや脳卒中などのリスクが高まる年代のため、3大疾病保障など、保障が手厚い団信を選ぶと安心です。ただし、40代・50代で住宅ローンを組む場合、健康状態によっては、加入が難しい団信もあります。そのような場合は引受基準緩和型のワイド団信を検討するといいでしょう。一般的な医療保険は年齢が高くなると保険料が上がりますが、疾病保障団信は年齢関係なく金利の上乗せという一律の保険料です。そのため年齢が高いほどお得になります。
支払い条件の確認は重要

特約付きの団信は、保障範囲が広いほど良いように思えますが、支払い条件が厳しいと保険金が受け取れず、結果的に意味をなさないことがあります。

たとえば、就業不能状態が1年以上続くことが条件になっているものと、手術しただけで保障されるものがあったら、後者の方が断然役に立つ団信となります。そのため、保障の範囲だけでなく、支払い条件をしっかり確認することが大切です。

なお、すでに生命保険に加入している場合は、団信の保障と重複する場合があるので、生命保険を解約するか、保険金額を減らすなどして保険の見直しをすると、保険料の負担を軽減できる可能性があります。

団信は、契約者に万が一のことがあった際、家族の生活を守る重要な役割を果たします。必要な保障は人それぞれ異なるため、ライフステージに応じた適切なプランを選び、将来の安心につなげましょう。

石倉博子 いしくらひろこ ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。ブログ「ファイナンシャルプランナーみかりこのお金の勉強をするブログ」も運営中! この著者の記事一覧はこちら

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