2025年03月27日13時48分 / 提供:マイナビニュース
トランスジェンダー男性のアイデンティティを反映した作品作りで国内外から大きな注目を集める期待の若手、飯塚花笑監督の最新作となる映画『ブルーボーイ事件』が、今秋に公開されることが決定した。
本作の舞台は、1960年代後期に東京オリンピックや大阪万博で沸く、高度経済成長期の日本。国際化に向けて売春の取り締まりを強化する中、性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けた通称ブルーボーイたちを一掃するため、検察は手術を行った医師を逮捕。手術の違法性を問う裁判には、実際に手術を受けた証人たちが出廷した。
かつて実際に起きた“ブルーボーイ事件”に衝撃を受け、映画化を決意したのは、『僕らの未来』(11)、『フタリノセカイ』(22)、『世界は僕らに気づかない』(23)などで知られる飯塚監督。当時の社会状況と事件について徹底的に調査し、裁判での証言を決意したトランスジェンダー女性・サチを主人公に物語を構想した。その渾身の企画に惚れ込んだのが、『深夜食堂』シリーズをはじめ、『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)、『岸辺の旅』(15)、『月の満ち欠け』(22)など数々のヒット作を手がけてきた映画プロデューサーの遠藤日登思氏。飯塚監督らと何度も脚本の改訂を重ねながら、オリジナル作品として本作を完成させた。
「この物語を描くには当事者によるキャスティングが絶対に必要」という監督の強い意志のもと、主人公サチ役の起用にあたっては、様々な経歴を持つトランスジェンダー女性たちを集めたオーディションが行われた。多くの候補者の中から主演に選ばれたのは、ドキュメンタリー映画『女になる』(17)への出演経験を持つ中川未悠。演技経験はないものの、サチ役に同化していく姿に監督らは胸を打たれた。
サチのかつての同僚たちを演じるのは、映画初出演となるドラァグクイーンのイズミ・セクシーと、連続テレビ小説『虎に翼』での演技が反響を呼んだシンガーソングライターで俳優の中村中。またブルーボーイ役として真田怜臣、六川裕史、泰平ら、注目の若手俳優たちが出演する。さらに、サチに証言を依頼する弁護士の狩野役を錦戸亮が、彼と敵対する検事役を安井順平が演じるほか、前原滉、山中崇ら、メインキャストを支えるための実力派俳優たちが集結した。
また、同作は期間中いつでも1,100円(高校生以下は900円)で鑑賞できるPontaパス会員限定特典「au推しトク映画」の対象作品に。Pontaパス会員(同伴者1名まで)を対象に全国のTOHOシネマズ、ローソン・ユナイテッドシネマグループ、コロナシネマワールドなどで実施し、期間中であれば、何度でも一般・大学生1,100円、高校生以下は900円で鑑賞することができる。
(C)2025『ブルーボーイ事件』製作委員会