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三つ折りモデルが次々登場、さらに進化を遂げる折りたたみスマホ

2025年03月26日11時00分 / 提供:マイナビニュース

2025年3月にバルセロナで開催されたMWC 2025には三つ折りスマートフォンの展示がいくつか見られました。2019年にサムスンとファーウェイから二つ折りスマートフォンが登場してから5年が過ぎ、折りたたみモデルは次の世代の製品の時代を迎えようとしています。

三つ折りスマートフォンの実機を展示していたのはTECNOです。「PHANTOM Ultimate 2」は2024年8月に発表されたモデルで、当初はビデオだけでの紹介でした。実機の展示はその後ありませんでしたが、発表から約半年の時間を経て実際に動作するモデルが出品されたのです。

ただし、このモデルはコンセプト製品であり、実際の販売は未定とのこと。それでもTECNOのような急成長中のメーカーがこのタイプのスマートフォンを開発しているということは、いずれ製品版として完成されたスタイルのモデルが出てくるに違いありません。なお画面のサイズは閉じた時が6.48インチ、開くと10インチになります。

折りたたんだ時の厚さなどサイズは非公開ですが、三つ折りモデルながら薄いサイズにまとめています。実際に操作してみたかったのですが、残念ながらスタッフのみが触れるということで、目の前で開閉操作などを見せてもらいました。ヒンジの折りたたみもスムーズに行え、これは是非、販売してほしいと感じられました。

一方、すでに三つ折りスマートフォンをグローバルで展開しているのがファーウェイです。「Mate XT Ultimate Design」は2024年9月に発表され、10月に中国で販売開始。予約台数が700万台を超えた超話題の製品となりました。その後、2025年2月からグローバル市場でも発売されました。閉じると6.4インチ、開くと10.2インチになるこのモデルは現時点で購入できる唯一無二の製品であり、50万円前後という価格も相まって実用性を求めるユーザーだけではなく、高価格なプレミアム製品としても一部の消費者から人気を集めています。

折りたたみスマートフォンとして現在主流の二つ折りモデルと比べ、三つ折りスマートフォンは、開けば一般的なタブレットと同じ長方形の画面になります。プレゼン資料や表計算などビジネス用途はもちろん、ゲームのプレイもPCと変わらぬ縦横比の大きい画面で操作できます。二つ折りでは画面サイズが中途半端と感じる人も、三つ折りスマートフォンを手にすると実用性の高さに驚くと思います。

ファーウェイが先行し、TECNOもコンセプトモデルを出している現状で、折りたたみスマートフォンの市場のリーダーであるサムスンの動きが気になりますが、同社のディスプレイ開発を手掛けるサムスンディスプレイが三つ折りディスプレイのコンセプトモデルを展示していました。

同社の三つ折りディスプレイは、ファーウェイとTECNO同様にZ型に折りたたむものと、左右の2つのディスプレイを中央に折りたたむスタイルの2種類が展示されていました。ただし、どちらのディスプレイも、実は1年以上前から海外の展示会で公開されているものであり、MWCに合わせて発表した新しい技術ではありません。サムスンディスプレイとしてはこのままでは折りたたみの技術面で差を付けられてしまうため、水面下で新しい三つ折りディスプレイを開発していると考えられます。

なお、サムスンディスプレイはポータブルゲーム機向けの二つ折りディスプレイを今回初めて展示しました。最近増えているポータブルゲーム機はポケットに入る大きさではありませんが、いずれ薄型化が進むでしょう。しかしゲームをプレイするには大きな画面が必要であり、可搬性を考えると二つに折りたためるポータブルゲーム機の需要はありそうです。

折りたたみスマートフォンはスマートフォンメーカーだけの力で開発できるものではなく、サムスンはサムスンディスプレイと、ファーウェイは中国のディスプレイ大手のBOEと協業して製品を開発しています。大手のディスプレイメーカーとしては他にもモトローラの縦折スマートフォンのディスプレイを供給しているTCL-CSOTなどがあり、各社が三つ折りディスプレイを開発していると推測されます。2025年は三つ折りスマートフォンが数モデル登場し、折りたたみスマートフォンの新たな競争が始まるかもしれません。

富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら

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