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『べらぼう』唐丸(渡邉斗翔)の脅威の模写スキルに視聴者最注目 第4話画面注視データを分析

2025年02月02日06時00分 / 提供:マイナビニュース

●唐丸は写楽? 歌麿? 北斎?
テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、1月26日に放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(総合 毎週日曜20:00~ほか)の第4話「『雛形若菜』の甘い罠」の視聴者分析をまとめた。

○礒田湖龍斎(鉄拳)の下書きが台無しに

最も注目されたのは20時26分で、注目度76.0%。唐丸(渡邉斗翔)が模写のスキルを発動するシーンだ。

蔦重(横浜流星)は頭を抱えていた。礒田湖龍斎(鉄拳)に描き上げてもらった錦絵の下書きが水にぬれて台無しになったのだ。次郎兵衛(中村蒼)が弁解するも途方にくれる蔦重に、唐丸が絵を直させてほしいと提案する。唐丸の突拍子もない申し出に、次郎兵衛はできるわけないと取り合わなかったが、蔦重は成り行きを見守った。

唐丸はおもむろに筆を取り出し作業にかかると、唐丸は見事な筆運びでみるみるうちに描き上げてしまった。その絵はなんと、湖龍斎のものと瓜二つだった。「おれにはもとの絵にしか見えねえ」と驚がくする蔦重。そして、当の唐丸もなぜ自分がこんなことができるのか分からないようだ。

唐丸の隠された才を目の当たりにした蔦重に、当代一の絵師に育てると言われ戸惑う唐丸だったが、「そんなこと言われたの初めてだから」と喜び、作業を再開した。記憶のないはずの唐丸の言葉に違和感を感じた蔦重だったが、何も詮索はしなかった。

○「唐丸の失った記憶が気になる」

注目された理由は、天才の片鱗を垣間見せた唐丸に、視聴者の視線が「くぎづけ」となったと考えられる。

西村屋の協力により、ようやく湖龍斎による錦絵の下絵を描き上げてもらうところまでこぎつけた蔦重だったが、一難去ってまた一難。なんとその下絵が次郎兵衛の飼い猫によって水にぬれてしまった。このままでは監督不行き届きの責任を追及されるだけでなく、錦絵の刊行すら危ぶまれる。この時、窮地に追い込まれた蔦重を救ったのは唐丸だった。

鮮やかな筆さばきで下絵を描き上げる唐丸に、SNSでは、「なるほど、唐丸は写楽か歌麿か北斎か。今後の展開が楽しみ!」「成長した唐丸が誰になるのか今から気になる!」「唐丸くんが錦絵を食い入るように見つめる眼が、キラキラ輝いていてかわいかった!」「こうなると唐丸の失った記憶が気になるなー」といったコメントが集まった。非凡な才能を見せた唐丸だが、その正体についてネットで議論が白熱している。

東洲斎写楽や喜多川歌麿、葛飾北斎といったのちのビッグネームの誰かではないかと言われているが、どうなのだろうか(※実は『べらぼう』関連書籍では、すでに正体が明らかにされている)。また、下絵が猫の倒した花瓶で濡れたのに、猫も次郎兵衛も責めなかった蔦重も素晴らしかった。あのアンガーマネジメントは見習いたい。

墨摺は墨一色で摺られて作成された絵で、錦絵は複数の版木を使い分けて、様々な色を重ねて刷ることで、非常に豊かな色彩を実現した多色刷りの絵。墨摺は、1670(寛文10)年ごろ、菱川師宣らが絵入本の単なる挿絵でしかなかった浮世絵版画から、独立した墨摺絵を制作したのが最初と言われている。墨の濃淡や線の陰影と紙の織り成す簡素な美しさが今なお評価されている。

錦絵は1765(明和2)年に鈴木春信によって開発されたのが始まりとされている。高級な織物である錦のように美しいことから錦絵と呼ばれた。前身である紅摺絵(べにずりえ)は3色の色付けが限界だったが、金に糸目をつけない富裕層からの資金援助もあり、飛躍的に技術が向上し、錦絵が浮世絵・木版画の主流となった。

●蔦重、市右衛門に相談を持ちかけるが…
2番目に注目されたのは20時19分で、注目度73.65%。蔦重が駿河屋市右衛門(高橋克実)に相談を持ちかけるシーンだ。

錦絵作成の資金調達に呉服屋から入銀を募ることを思いついた蔦重だが、思うように入銀は集まらなかった。悩む蔦重は駿河屋の軒先にいた義父の市右衛門に意見を求める。すると市右衛門は、名の通った女郎がいないこと、蔦重自身に知名度がないことが原因ではないかと助言した。さすがは海千山千の経営者である。すでに入銀が集まらない理由を見抜いていたのだ。

現実を突きつけられた蔦重だったが、そこに西村屋与八(西村まさ彦)が蔦重を訪ねてきた。何と蔦重の錦絵発行に手を貸したいというのだ。西村屋は名の通った錦絵の版元である。西村屋が関わっているとなれば、呉服屋の反応も変わるだろう。さらに自分の店で蔦重の錦絵も取り扱いたいという。

蔦重は渡りに船とばかりに西村屋の提案に飛びつき、2人はそのまま駿河屋をあとにした。市右衛門はあまりに虫の良すぎる話に裏があるのを感じとるが、何も言わず静かに店の奥へと消えていった。

○即座にいかさまを見抜いた様子

このシーンは、信頼関係を築きつつある蔦重と市右衛門に視聴者の注目が集まったと考えられる。また、直後に登場した西村屋に警戒の視線が集まったと考えられる。

斬新なアイデアと抜群の行動力で『吉原細見』の再編と『一目千本』の刊行を行った蔦重ですが、商売人としての実力はまだまだ低く、歴戦のつわものである市右衛門にアドバイスを求めた。そんな蔦重にとって西村屋の申し出は魅力的なものだったが、あまりにもタイミングの良すぎる話に、市右衛門は即座にいかさまを見抜いた様子だった。

SNSでは、「西村屋が登場した時点で駿河屋は怪しんでいるな」「駿河屋市右衛門の人を見極める力がすごい」「親父さまの眼力」と、市右衛門の洞察力に称賛が集まる一方、「西村屋が西村まさ彦さんだった時点で怪しさ満点だったね」「西村屋、登場のタイミングからすでにフラグが立ちまくっているな」と、西村まさ彦のうさん臭さも注目された。ツンデレの極みである市右衛門であるから、蔦重がだまされると分かっていながら、これも社会勉強のうちと黙って成り行きを見守ることにしたのだろう。なんとも奥行きのある人物だ。

西村屋与八は蔦重とともに活躍した錦絵の代表的な版元で、西村屋は3代目まで続いた(※今回の西村屋は初代。ちなみに2代目は鱗形屋孫兵衛の次男)。屋号は「永寿堂(えいじゅどう)」という。鈴木春信、鳥居清長、勝川春章、歌川豊春など当時の著名な絵師たちの作品を多く刊行した。錦絵と出版の発展に大きく貢献した西村屋は物語のキーパーソンとなりそうだ。

西村屋与八を演じる西村まさ彦は、今回、「西村」つながりで話題になっていますが、実は2017年の宮崎あおい主演のNHKドラマ『眩~北斎の娘~』でも西村屋与八を演じている。西村は、故・田村正和さん主演の『古畑任三郎』(フジテレビ)で今泉慎太郎役を演じ大きく知名度を上げた。大河ドラマは1996年『秀吉』、2016年『真田丸』、2020年『麒麟がくる』に続いて4度目の出演。西村屋与八は錦絵というジャンルを確立したやり手事業家なので、今泉くんとは似ても似つかない。

●鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)が野望をあらわに
3番目に注目されたシーンは20時42分で、注目度73.61%。鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)が野望をあらわにするシーンだ。

鱗形屋と西村屋は笑いが止まらない。蔦重が発案した錦絵の企画を横取りすることに成功したからだ。蔦重の義父・市右衛門が懸念した通り、この話には裏があった。鱗形屋と西村屋は初めからつながっていたのだ。蔦重に錦絵を作らせておいて、その儲けをかすめ取るという算段である。

金儲けにのみ興味を示す忘八たちも、最終的には蔦重に味方しないことも見越していたのだろう。西村屋は鱗形屋に、これから蔦重をどう扱いたいのか問いかけると、鱗形屋は蔦重も含め吉原を丸抱えにし、儲けを独り占めしたいと野心を明らかにした。吉原に活気を取り戻したかった蔦重の思いは、この2人にまんまと利用されてしまった。

○「既得権益を守ろうとする者が妨害するのは世の常」

ここは、鱗形屋と西村屋が見せる時代劇における典型的な悪役ムーブに、視聴者が注目したと考えられる。

鱗形屋と西村屋はその思惑を隠し、親身になって協力するフリを見せて蔦重に近づいた。まっすぐな性根の、まだ人生経験の浅い蔦重にその本心を見破れるはずもなく、見事に2人の手のひらで転がされることになった。すべて思い通りにことを運んだ鱗形屋は、吉原からのもうけを独占したいと欲望をあらわにした。

SNSでは、「鱗形屋も西村屋も、忘八の親父たちも腹黒すぎてヤバイ」「鱗形屋から見れば、立派な商売敵が急に飛び出して来たんだから、出る杭は打つよね」「前回、前々回とうまくいっていた分、蔦重のショックは大きいな」「業界に新参者が加わろうとすると、既得権益を守ろうとする者が妨害するのは世の常ですな」と、さまざまなコメントが寄せられている。

今回は蔦重の手を離れてしまった『雛形若菜初模様(ひめがたわかなのはつもよう)』だが、「雛形」というのは見本を意味する。そして「若菜初模様」は、正月に初めて袖を通す着物の柄のこと。つまり、『雛形若菜初模様』は遊女に新作着物を着せた、現代でいうファッションカタログだった。『雛形若菜初模様』は大好評を博してシリーズ化し、100点以上が制作された。

日本の商業目的の出版は、1615~24年(元和年間)に京都で始まった。当初は歴史書・軍記・医書などの専門書に限られ、「物之本」といわれました。1655~61年(明暦・万治年間)から仮名草子、御伽草子などの娯楽本も出版されるようになる。しかしこの頃はまだ、江戸には地元の店はなかった。京都から江戸へ出店された支店が本を売り、それらは下り本と呼ばれた。

やがて1661~73年(寛文年間)に江戸でも出版が始まり、江戸で作成された大衆本が地本と呼ばれることになる。地本を企画および制作して販売した問屋が地本問屋。地本問屋の間では同業者が集まって本屋仲間という組合が作られた。これに加入しないと出版することができなかったのである。作中でも描かれたとおり、新規事業の参入障壁は高かったのだろう。知名度も資金も圧倒的に上回る2つの大手企業を相手に、蔦重は今後どう立ち向かうのだろうか。蔦重のひらめきと行動力に期待だ。

●2匹の猫が2年連続大河出演
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」では、1774(安永3)年から1775(安永4)年の様子が描かれた。

『一目千本』の影響で客足の戻った吉原だが、女郎屋の主人たちは集客の次の一手として、錦絵の作成を蔦重に命じる。女郎たちの反発によって忘八からの資金援助をあきらめた蔦重は、花魁に呉服屋が売りたい着物を着せた錦絵の制作・販売を思いつき、協力を申し出てきた西村屋与八とともに、呉服屋からの入銀を得ることに成功し、『雛形若菜初模様』の刊行にこぎつける。しかし、すべては鱗形屋孫兵衛が描いた罠であり、蔦重はすべてを横取りされてしまった。一方、幕府では田安賢丸が田安家を継ぐことを阻止すべく、田沼意次(渡辺謙)・意知(宮沢氷魚)親子が暗躍する。

注目度トップ3以外の見どころとしては、江戸時代に転生した小麻呂と小鞠が挙げられる。人の心を持たない忘八も猫はかわいいと思うらしく、愛猫を溺愛する姿が描かれた。そしてそのシーンではなんと、かつて平安の世で、時の権力者であった藤原道長の妻・源倫子と、2人の娘で一条天皇の中宮・藤原彰子が飼っていた2匹の猫が画面に映し出された。

SNSでは、「忘八の猫集会、まざりてえにゃぁ」「忘八のにゃん言葉、笑える」「白猫ちゃんだけかと思ったらいっぱいでた!」と、大いに盛り上がりを見せた。中でもりつ(安達祐実)の「半助」を演じたニモくん、扇屋宇右衛門(山路和弘)の「利休」を演じたひげちゃんは、昨年の大河ドラマ『光る君へ』にも出演しており、2年連続で大河ドラマ出演という偉業を成し遂げた。X(Twitter)の『べらぼう』公式アカウントでは、忘八の愛猫たちが一覧で紹介されているので、興味のある方はのぞいてみてほしい。

そして、『雛形若菜初模様』を描いた絵師・礒田湖龍斎をお笑い芸人・鉄拳が演じたことも大きな話題となっている。白塗りのメイクがトレードマークの鉄拳の素顔での出演はインパクトがあった。出演にあたって、自宅で約1カ月の間、1日4時間も浮世絵の特訓を行ったそうだ。『光る君へ』で主人公・まひろの従者・乙丸を演じた矢部太郎からは「NGはダメなんです!」とプレッシャーをかけられたそうだ。

また、模写のスキルをもつ、もうひとりの男・平賀源内(安田顕)界隈も見逃せない。老中・田沼意次の意を受け、8代将軍・徳川慶喜の残した公文書の改ざんを行ったが、バレたら間違いなく死罪だと思われる。意次と賢丸の対立も深まりはじめ、幕府パートも盛り上がってきた。

きょう2日に放送される第5話「蔦に唐丸因果の蔓」では、版元になる夢をあきらめられない蔦重は、ある人物から本屋に奉公に上がればと助言を受ける。そんな中、唐丸の周囲で不穏な動きが…。また、平賀源内もトラブルに巻き込まれ、ただならぬ状況へと発展する。

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