2025年01月02日17時00分 / 提供:マイナビニュース
●新垣結衣とダブル主演など着実に経験を重ねた17歳
「新年の頭にネクストブレイク候補を発掘する」、マイナビニュース恒例の正月企画を今年も実行。年々、他サイトで似た記事も増えてきたが、ここでは「よりフレッシュな先物買い」という観点から10人の若手女優を紹介していく。
セレクトのポイントは、「最近の出演作で見せた可能性」「出演予定のラインナップ」「業界内の評価」の3点。次々に新星が誕生する女優業界で、今年ブレイクのきっかけをつかむのは誰なのか。
○高校サッカーマネ&STモデルの系譜
今秋スタートの朝ドラ『ばけばけ』(NHK総合)の主演を務める高石あかり(22)をあげたいところだが、すでに昨年ピックアップ済み。日曜劇場『御上先生』(TBS)出演の上坂樹里(19)も昨年選んだように、今年もよりフレッシュな段階であげていきたい。
1人目は、開催中の『全国高等学校サッカー選手権大会』で20代目応援マネージャーを担う月島琉衣(16)。新垣結衣、広瀬アリス、川口春奈、広瀬すず、永野芽郁、清原果耶らを輩出した大役であり、業界の期待は大きい。
昨年はドラマ『からかい上手の高木さん』(TBS)で初主演を務めたほか、『街並み照らすヤツら』(日本テレビ)にもヒロインの番手でレギュラー出演。さらに『西園寺さんは家事をしない』(TBS)、配信映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』(Netflix)に出演したほか、吉瀬美智子との共演でTVCM初出演を飾った。
今年もいきなり1月5日放送のスペシャルドラマ『ノンレムの窓2025』(日テレ)に出演。北川景子、榮倉奈々、桐谷美玲、波瑠、中条あやみら主演女優を輩出した『Seventeen』モデルでもあり、同誌モデルと高校サッカーマネージャーの先輩で「憧れ」と語る広瀬すずと重ね合わせる業界人も少なくない。
2人目は、『nicora』『non-no』とモデル歴が長い林芽亜里(19)。昨年はドラマ『先生さようなら』(日テレ)で女優デビューを飾り、いきなりヒロインとしてSnow Man・渡辺翔太の相手役を務めた。
さらに『年下彼氏2 episode2』(ABC・テレビ朝日)でもヒロインを務めたあと、『初めましてこんにちは、離婚してください』(MBS・TBS)では犬飼貴丈とのダブル主演に抜てき。『世にも奇妙な物語’24』(フジ)にも出演するなど、女優初年度とは思えないほど多くの経験を積んだ。現役10代モデルらしい可憐さは希少価値が高いだけに、今年も正統派ヒロインとして重宝されるだろう。
○「壮絶な過去」を演じられる強さ
3人目は、10代屈指の演技派として業界内で知られる伊東蒼(19)。16年の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』、17年の初主演映画『島々清しゃ』で映画賞を連続受賞。さらに共演した佐藤二朗から「モンスター」と称賛されたこともあった。
その後も朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)、大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)などに出演するも民放ゴールデン・プライムの主要キャストには縁がなかったが、昨夏ついに『新宿野戦病院』(フジ)に出演。しかも物語の鍵を握る役柄であり、秋には『宙わたる教室』(NHK総合)にもメインの生徒役で出演した。演技力に知名度が追いつきつつあり、子役時代からのキャリアはすでに15年目の今年、飛躍の時を迎えるか。
4人目は、朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)でヒロインの盟友・山田よねの少女時代を演じた早瀬憩(17)。壮絶な回想シーンを鬼気迫る演技で演じると、すぐにネット上が騒然となるなど大器のムードを感じさせた。
昨年は6月公開の映画『違国日記』で新垣結衣とダブル主演。ドラマでは『マイストロベリーフィルム』(MBS・TBS)、『ユーミンストーリーズ』(NHK総合)、『からかい上手の高木さん』、『約束 ~16年目の真実~』(読売テレビ・日テレ)、『柚木さんちの四兄弟。』(NHK総合)にも出演して着実に経験を重ねた。特に良ければ継続起用するNHKからのオファーが続きそうなムードが漂っている。
5人目は、女優登竜門の「ポカリスエット」CMに出演した池端杏慈(17)。『nicola』オーディションで1万人超からグランプリに輝いて専属モデルになったが、昨年5月に卒業した際、「女優の道を頑張りたい」と力強く宣言した。するとさっそく11月に映画『矢野くんの普通の日々』に出演。しかも実写映画初出演でいきなりヒロインに抜てきされ、FANTASTICS・八木勇征の相手役を務めた。
振り返ると、女優デビューを飾った22年の『オールドルーキー』(TBS)で演じたのは、「難病から立ち直り、車いすテニスを志す少女」という難役。まだ出演数は少ないが、抜てきされ、難役を任される特別な才能を感じさせられる。
●知名度・好感度UPで奈緒のようにステップアップも
○グラドル+モデルでファン層拡大中
6人目は、グラビアアイドルとしてトップクラスの人気を誇る菊地姫奈(20)。昨年は5月に『non-no』専属モデルに就任したほか、ドラマでは『チェイサーゲーム』(テレビ東京)、『伝説の頭 翔』(テレ朝)、『年下彼氏2』、『宙わたる教室』、『透明なわたしたち』(ABEMA)、『【推しの子】』(Amazon Prime Video)などに出演した。
なかでも注目を集めたのは、『ウイングマン』(テレ東)で演じた小川美紅。アオイ(加藤小夏)と並ぶヒロインであり、約40年前の人気漫画・アニメでファンも多いが、菊地の役作りは称賛を集めた。今年は主演を含む複数の映画出演が控えるなど、グラビア、モデル、ドラマに続いてさらにファン層を広げるか。
7人目は、女優デビューから2年間出演ラッシュが続く倉沢杏菜(19)。昨年は『先生さようなら』(日テレ)、『VRおじさんの初恋』(NHK総合)、『ビリオン×スクール』(フジ)、『光る君へ』(NHK総合)とドラマ4作に出演。おじさんのVRアバター、スクールカーストの一軍女子、平安の皇后などの多彩な役柄を演じたほか、11・12月には初舞台も経験した。現役大学生として英語や韓国語を学んでいるだけに、将来的には海外作品への出演も期待できそうだ。
8人目は、朝ドラ『おむすび』に出演中の田畑志真(19)。主人公・米田結(橋本環奈)の幼なじみ・佐久間菜摘を演じ、連日明るい笑顔を振りまいている。朝ドラやグラビアなどで知名度と好感度がグングン上がっているだけに、今年はドラマやCMで活躍の場が増えるだろう。脚本家・野島伸司が総合監修を務めるアクターズスクール出身であり、奈緒のようにステップアップできるか。
9人目も朝ドラ『おむすび』に出演中の寺本莉緒(23)。こちらは主人公の姉・米田歩(仲里依紗)のライバルでギャルのキャバクラ嬢・大河内明日香を演じている。さらに『RoOT / ルート』(テレ東)、『新宿野戦病院』、『Qrosの女』(テレ東)、『外道の歌』(DMM TV)にも出演。『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)で演じたホステスが好評だったように、迷いなく体を張れるのが強みだ。
最後の10人目は、かつてCM出演などで「野球女子」として名をはせた池田朱那(23)。昨年は『東京タワー』(テレ朝)、『科捜研の女』(テレ朝)、『虎に翼』ほか計7作ものドラマに出演した。主演映画も公開されるなど女優活動は順調そのもので、学生役もOL役もできる年齢だけに、さらなる活動が期待できる。
今年はどんな新星が飛び出し、どこまで人気を集めていくのか。ここで挙げた10人はその可能性を秘めた筆頭株だけに、一年間追いかけてみてはいかがだろうか。
木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら