2024年07月27日17時00分 / 提供:マイナビニュース
●ターニングポイントの「冬映画」で絆が深まる
映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』 『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』が全国劇場にて上映中。2023年9月より放送の『仮面ライダーガッチャード』テレビシリーズも、いよいよラストに向けて大きな盛り上がりを見せる中、映画館の大スクリーンにて「テレビでは見られない」大スケールの時空を超えたアクション、感動的なストーリーが繰り広げられるという。
ここでは映画の公開を記念して、仮面ライダーガッチャード/一ノ瀬宝太郎を演じる本島純政と、仮面ライダーマジェード/九堂りんねを演じる松本麗世の対談インタビューをお届けする。撮影が始まって約1年が経とうとしている現在、共に仮面ライダーとなって幾多の困難に立ち向かってきた宝太郎・りんねと同じように、本島・松本の若手俳優コンビもお互い支え合い、励ましあって数々の壁を乗り越えてきたという。仮面ライダーの現場を通じて、ひとまわりもふたまわりもたくましく成長した2人の、ひとつの到達点というべき「夏の劇場版」にかける意気込みを尋ねた。
○『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』に出演する本島純政&松本麗世
――『仮面ライダーガッチャード』のテレビ放送も、そろそろクライマックスにさしかかってきました。この1年を振り返り、お互いにどういうところが変わったか、教えてください。
本島:何でも相談できるような関係になったんじゃないかって思います。初対面の時みたいな“壁”が無くなって、どんなことでも話し合って、安心できる仲間という意識が強いです。宝太郎と九堂が一緒にいるシーンが多いので、このシーンでは俺たちどうしたらいいかな、なんて、けっこう相談していますね。どうしても最初のころはお互いに気を使って、遠慮がちなところがあったんですけど、行動を共にしていくうち、劇中の宝太郎と九堂がだんだん打ち解けていくのとシンクロするかのように、僕たちも打ち解けていった印象です。何でも話せるって部分は、お芝居をする際にすごく生きているんじゃないかって、手応えとして感じています。
松本:私も同じこと思っていました。最初の頃はお互い壁があって、なんか、表面的なお話しかしていなかったかなって。
本島:あははは! 表面的だった!?(笑)
松本:いや、そうだったころもあったって! 最後まで聞いてください!(笑)
本島:はははっ! ごめん、最後まで聞きます(笑)
松本:『ガッチャード』に出演して、お芝居で難しい部分があったり、壁にぶつかったり、たいへんなこと、キツいことがお互いあったと思うんですけど、途中から本島さんに相談して、現場で悩みを解決しながら作っていくようになった、というのは大きな変化だと思っています。話しているうちに、お互いの新たな一面が見えるようになり、他のキャストのみなさんも含めて、どんどん親しくなっていきました。
本島:うんうん!
松本:人にはいろんな面があるじゃないですか。でもお互いに理解し合っていると、そういうところもあっていいよね、みたいに理解が深まって、ほどよい距離感の人間関係ができあがっているように思います。
――公式サイトやSNSなどでも、キャストの方々のよいチームワークがうかがえますし、そういう雰囲気がテレビ画面からもしっかり伝わってきますね。なんでも話せる関係になったな、と思えるようになったターニングポイントは、いつごろになりますか。
本島:昨年12月の「冬映画」=『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー☆ガッチャ大作戦』の時かな~って思います。
松本:あ、私もそう思いました!
本島:だよね。冬映画では各地の舞台挨拶に出たんですけど、お互い初めての舞台挨拶だったから直前まで緊張していて、撮影の合間に「明日の舞台挨拶、どんな話をしようかな」とか、簡単な打ち合わせをしようってことになったんです。
松本:そういうのがきっかけになって、話す機会が増えましたよね。お互いと向き合う時間が増えたことにより、絆がいっそう深まったと思っています。
○「ちゃんと演じきれるのか」という不安も
――この度公開される映画では現代と未来の両軸で仮面ライダーの激しい戦いが繰り広げられるスケールの大きなストーリーですが、最初に台本を読まれた時はどんな思いを抱かれましたか。
本島:最初に思ったのは、「この壮大な物語を僕が宝太郎としてちゃんと演じきれるのか」という不安です。でも「これを最後まで演じきった後、ものすごい景色を見ることができるんじゃないか?」という期待も同時に抱きました。最初の不安は、演じる前に共演者のみんなと相談し合うことによって、解消できた部分があります。それこそ、麗世ちゃんと一緒のシーンでは「このシーン、不安なんだけど……」と声をかけて、じゃあ台本の読み合わせをしようという話になったりしたので、みんなのおかげでとてもいい宝太郎が演じられたし、映画もすばらしい内容になったと確信しています。1年間頑張ってきたキャストと、スタッフのみなさんのチームワークの良さがすごく出ているなって、画面を観ながら何度もそう感じました。
松本:私も台本を最初に読んだ時は「難しいお芝居がたくさんあるな……」と、かなり戸惑いました。でもそれ以上にストーリーがとてもよくて、とても感動しました。何度読み返しても、これはとても深い、すばらしいストーリーだって思いました。
本島:ほんと、そうですよね。
松本:これはぜひ、私たちが頑張って、感動を多くの人たちに伝えたいと強く思ったので、精一杯お芝居を頑張りました。りんねの気持ちに寄り添いながら、彼女の心情をしっかり表現できたと信じていますし、きっと良い映画になっていると思っています。
本島:絶対そうなってるよ。
●DAIGOは「20年後の宝太郎」のイメージにピッタリ
○「怒る」という感情がよくわからない松本麗世
――20年後の宝太郎=ガッチャードデイブレイクを演じるDAIGOさんと共演されたご感想はいかがですか?
本島:DAIGOさんはまさに「20年後の宝太郎」のイメージにピッタリでした。実際にお会いした時の印象を言いますと、すごく温かく、年齢の差を感じさせない雰囲気を備えている方。とても気さくに接してくださる上に、演技でわからないところがあったら僕に「このシーン、宝太郎だったらどんな風にリアクションする?」とか「変身ポーズの時、こだわっていることある?」なんて、宝太郎の細かい部分まで尋ねてくださったんです。まさに、同じ宝太郎という人物を2人で一緒に作っているという感覚が強くありました。共演したおかげでDAIGOさんに親近感を抱くようになり、しみじみと20年後の宝太郎がDAIGOさんで良かったなあ~と思いました。
松本:私も側で見ていて、宝太郎と未来の宝太郎が似てるな~ってすごく思っていましたね。もともとの本島さんとDAIGOさんの雰囲気が似てるんです。撮影現場で2人の姿を見ていると、20年という時間が経過しているだけで、どちらも宝太郎だなって感覚でわかるんです。
本島:そう言ってもらえるのは、自分としても嬉しいですね!
――映画でのお芝居について、「ここが難しかったけれど、頑張ってやりとげることができた」みたいな経験があれば、ぜひ教えてください。
本島:映画では、テレビで描かれる現代とかなり状況の異なる世界線へ宝太郎たちが乗り込んでいきます。そこへ行くまでの過去を回想するお芝居をしているのですが、もしも宝太郎の仲間がいなくなってしまったら……という想像をするのは、なかなか難しいところがありました。それだけに、しっかりと役作りをしようと思い、直前に共演者との思い出を振り返ったり、ドラマを第1話から見直してみたり、自分なりに感情を込められるように努力しました。そういう役作りをした上で撮影に臨んだら、田崎(竜太)監督から「今のシーン、よかったんじゃないの」と褒めていただけて……。苦労したお芝居だったので、すごく嬉しかったですね。
松本:私が難しいなと思ったのは、映画に出てくる敵・アルザードにりんねが怒りをぶつけるシーンでした。りんねちゃんは普段から感情を抑えがちで、怒りに満ちて大きな声で叫ぶお芝居をやってこなかったんです。私自身も「怒る」という感情がよくわからなくて。
本島:麗世ちゃんはめちゃめちゃ人に優しいので、怒らないんですよ(笑)
松本:イラっともしないですよね? 人に無関心すぎるのかな。
本島:クールなキャラなのかもしれないけど、やっぱり優しいんだと思うよ。
松本:怒りの表現が苦手ということもあって、アルザードとの絡みは映画の中でいちばん抵抗のあるお芝居でした。でもりんねの気持ちを作り込んで「アルザードが憎い、許せない」といった感情をあらわにするよう、懸命にやってみました。アルザードという存在が、りんねの怒りに火をつけるに十分なキャラクターだったこともありがたかったです。
――映画では、テレビではうかがえない宝太郎とりんねの一面が見られるようで、とても楽しみです。映画も含めて、この1年の間にお互いが「成長」したなと思えるのはどういうところでしょうか。
本島:麗世ちゃんのことだと、アフレコがすごくうまくなった印象があります。マジェードに初めて変身したころから、僕に声の出し方を聞いてきてくれたり、過去の『仮面ライダー』作品を研究したりして、すごく頑張っていた。そういった陰の努力を知っているからこそ、回を重ねるごとに実力として表れていくのが、とても頼もしかった。今では本当にパワーあふれるアグレッシブなマジェードに成長したなと、改めて思います。どんなことにも真剣に取り組んでいく、探求心を尊敬しています。
松本:嬉しいです! 私は第1、2話のころから現在までずっと本島さんと一緒にいて、お芝居する姿を見てきているんですけれど、本当に最初の時からどんなことに対しても真剣に取り組んでいて、1年で変わったというより、まったく変わらない情熱や探求心を持ち続けているところがすばらしいと思っています。第30、31話で私たちが学校の舞台で『ロミオとジュリエット』を演じた時、時間があれば原典となる物語についてすごく勉強していたりして、努力家だなあ、すごいなあって。近くで見ていたからこそ、私も頑張らなくちゃいけないと、力をいただきました。
本島:ありがとう!
○「感情表現」「ファンの方たち」とガッチャ
――お二人それぞれが、『仮面ライダーガッチャード』という作品に出演したことにより「ガッチャ」できたものがあれば、聞かせてください。
松本:台本を読んでりんねの感情を作り、それをお芝居で表現したつもりでも、テレビ画面に映った時その感情が人に伝わらないことがある……と学びました。どうすればこの気持ちを多くの人に伝えることができるのか、自分なりに勉強したり、工夫を重ねたりしたおかげで、今では作り上げた感情を狙いどおりに表現することができるようになったかな、と思っています。私がガッチャしたものとは、自分なりの「感情表現」といえますね。
本島:撮影の日々で、たまにはつらい時、泣きたくなる時もあるんですけど、そういう時、テレビで『仮面ライダーガッチャード』を観てくださったファンの方たちからお手紙やSNSで「宝太郎がいるから、毎日の生活を頑張ることができます」なんて応援、激励のメッセージをいただくと、すごく嬉しくなって「こんなことで負けていられない、明日も頑張ろう!」って元気が湧くんです。僕がガッチャできたもの、それは仮面ライダーガッチャード/一ノ瀬宝太郎を愛してくださるたくさんのファンの方たちです。応援してくれるみんなと一緒に、これからも頑張るぞ! という気持ちでいます。
――映画のキャンペーンや各種イベントで、子どもから大人まで幅広い世代のファンの方々から直接声援をもらったりした時のお気持ちはいかがですか。
松本:小さなお子さんが私に向かって「りんねちゃん!」と呼んでくださると、感激しますね。直接じゃないですけど、親御さんから「うちの子はりんねちゃんが大好きで、いつもテレビに向かって“りんねちゃん!”と呼びかけています」というメッセージをいただいたこともあり、すごく嬉しかったです。改めて、私はいま子どもたちのヒーローになっているんだなあという実感がわきました。私自身、ヒーローに憧れていたので、りんねを演じることができてよかった! と強く思うと同時に、これからもっと頑張ろうと思いました。
本島:今年のゴールデンウイーク(5月3、4日)に『仮面ライダーガッチャード ガッチャンコFESTIVAL!!』というイベントがあり、そこで宝太郎のキャラソン「Dream Hopper」や、キッチンいちのせ連合の歌「ガッチャ!レッツゴー!キッチンいちのせ連合」を歌った時、ファンの方たちが「がんばれ宝太郎~!」って応援してくださって、ありがたいな、嬉しいなって思いました。イベントには親御さんに連れられて、小さなお子さんも来ているんですけど、みんなが元気な声で宝太郎たちを応援してくれるのを見て、『仮面ライダーガッチャード』という作品がいかに愛されていて、僕はなんて幸せな環境の中にいるんだろうと、ありがたみを噛みしめていました。今度の映画もたくさんの人たちに観ていただいて、「面白かったよ」なんて感想をいただくのを楽しみにしています!
■本島純政
2005年生まれ、東京都出身。2023年3月よりアミューズに所属。『仮面ライダーガッチャード』一ノ瀬宝太郎役にオーディションで選ばれ、テレビドラマ初主演を果たす。趣味はギター演奏、映画・ドラマ鑑賞。『仮面ライダーガッチャード』がテレビドラマ初出演にして初主演作となる。
■松本麗世
2008年生まれ、鹿児島県出身。雑誌『ニコ☆プチ』が開催した2018年度の第7回モデルオーディションで合格し、専属モデルモデル・プチモとしてモデルデビュー。2023年にはファッション誌『セブンティーン』主催の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン2023」に出場。ファイナリストとなったことでセブンティーン専属モデルとなった。2024年7月13日~8月25日開催の「THE仮面ライダー展 鹿児島会場」にて、鹿児島スペシャルアンバサダーを務める。
秋田英夫 あきたひでお 主に特撮ヒーロー作品や怪獣映画を扱う雑誌・書籍でインタビュー取材・解説記事などを執筆。これまでの仕事は『宇宙刑事大全』『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』『ゴジラの常識』『仮面ライダー昭和最強伝説』『日本特撮技術大全』『東映スーパー戦隊大全』『上原正三シナリオ選集』『DVDバトルフィーバーJ(解説書)』ほか多数。 この著者の記事一覧はこちら