2024年07月05日11時15分 / 提供:マイナビニュース
iPhoneをワイヤレス充電しているとき、突然「高温注意」と表示されたのですね? 実行中のアプリが突然止まり、見慣れないメッセージが現れたことで驚いたかもしれません。なぜこうなったのか、どう対処すればいいのか、気になりますよね。
この「高温注意」画面は、iPhone内部の高温状態が一定時間続いたときに突然現れます。そのまま使い続けると異常動作しかねない、バッテリーなどの部品にダメージを与えかねない、だから本体温度が低下するまで使用を控えよ、という意味の警告です。
「高温注意」が現れたら、速やかにiPhoneの電源を切り涼しい場所に移動させましょう。電源を切らずに涼しい場所に放置するだけでもかまいませんが、内部温度が低下し再び使用可能になるまでの時間は増えます。なお、「高温注意」が表示されている間は、緊急電話を除くiPhoneの操作はできません。
ところで、今回の高温化はワイヤレス充電中の出来事ですから、原因は「ワイヤレス充電の位置」にあると推測されます。iPhoneが採用するワイヤレス充電方式「Qi(チー)」は、給電側/充電器のコイルに電気を流すと発する磁界が受電側/iPhoneのコイルに電流を生じさせることで充電を実現しますが、2つのコイルにズレが生じると電力変換ロスが生じます。ロスはそのまま熱となるため、大きなズレがあると高温化しやすいのです。
つまり、ワイヤレス充電中の「高温注意」を避けたければ、2つのコイルの位置をできるだけ正確に合わせましょう。正確な位置合わせは目測では難しいため、iPhone 12以降に採用されている磁石による位置合わせ機構「MagSafe」に対応した充電器を使うことが、問題解決への近道となります。
海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら