2024年06月04日22時13分 / 提供:マイナビニュース
Xiaomiのコストパフォーマンスに優れた「Redmi Note」シリーズから、2億画素のカメラを搭載した「Redmi Note 13 Pro+ 5G」が登場しました。59,800円からという価格も魅力的なこの製品をチェックしていきましょう。
独特なデザインのミッドレンジスマートフォン
Xiaomiのスマートフォンは現在、フラッグシップの「Xiaomi」シリーズ、コストパフォーマンスに優れた「Redmi」シリーズ、ゲームを中心としてハイパフォーマンスでコスパを重視した「POCO」という3ラインナップで展開しています。
「Redmi Note」は基本的にミッドレンジの製品ですが、その中で上位機種に当たるのが「Redmi Note 13 Pro+ 5G」です。
ディスプレイは6.67型有機ELディスプレイを搭載。2,712×1,220ドットという高精細なCrystalResディスプレイを採用しており、ピーク輝度1,800nit、色域はDCI-P3比100%、リフレッシュレートは120Hz、タッチサンプリングレートはゲーム時で最大2,160Hzと、十分なスペックを備えています。
ディスプレイは、最近減りつつある、少し側面が湾曲したカーブディスプレイ。6.7型より微妙に小さい6.67型なのは、このせいかもしれません。全体的にベゼルは細く、全面一杯に画面が配置されています。本体サイズはH161.4×W74.2×D8.9mm、約204.5g。それほど小さくはないのですが、本機とほぼ同等の6.7型のiPhone 15 Plusが201g、iPhone 15 Pro Maxが221g、Pixel 8 Proが213gなので、まずまずのサイズ感・重量感でしょうか。
SoCはMediaTek Dimensity 7200-Ultra。ミッドレンジの中でもハイパフォーマンス寄りのチップセットとされています。今回試用した端末のメモリは8GB/ストレージは256GBでしたが、メモリ12GB/ストレージ512GBモデルも用意されています。
背面はいくつかのカラーによって色分けされているポップなデザイン。よく見かけるような外観ではなく、背面を見てすぐに機種が分かるデザイン性は好印象です。「Redmi」シリーズとしては初めて、IP68というトップクラスの防水防塵性能を実現。シーンを問わず安心して使えます。
Corning Gorilla Glass Victusを搭載した画面の耐久性を含め、全体的な設計や素材など、堅牢性を向上させているそうです。このあたり、安価でも壊れにくいデバイスとして安心感のある仕様になっています。
コスパに優れたSoC性能
パフォーマンスを確認するためにベンチマークテストも実施してみました。
グラフィックス性能をテストする3DmarkはWild Lifeテストが4,343、CPU性能を測定するGeekBenchはシングルコアが1,117、マルチコアが2,663などという結果でした。本機は前述のとおりMediaTek製のSoCですが、Snapdragon 8 Gen 2やSnapdragon 7 Gen 1を搭載した機種とも比較してみました。
Dimensity 7200-UltraはSnapdragon 7 Gen 1に比べてGPU性能が高く、3Dmarkを見る限り、下位テストのWild Lifeでは上限に近づいており、上位テストのWild Life Extremeには少し弱い、というぐらいのパフォーマンスのようです。
実利用においてはほとんど問題を感じるスペックではありませんが、GPU性能が向上したことからゲームパフォーマンスは高く、公式にはAI性能も強化していると思われます。
そのため、昨今のトレンドにあわせたパフォーマンスを発揮できるスマートフォンと考えられ、幅広いニーズに応えられるでしょう。実際、ゲームをプレイしてみても快適に動作していました。
また、ゲーム用に「Game Turbo」アプリを搭載。ゲームを登録すると、GPUなどの性能をカスタマイズすることができて、より重量級のゲームも快適に動作する可能性があります。
安定して使える2億画素のカメラ機能
背面には3つのカメラを搭載。カメラ周辺が盛り上がらず、レンズだけが出っ張ったスタイルとなります。
カメラは2億画素のメインカメラ、800万画素の超広角カメラ、200万画素のマクロカメラを装備。メインは16個のピクセルを1つのピクセルとして扱って画質を向上させる16-in-1ピクセルビニングをサポート。光学式手ブレ補正(OIS)と電子式手ブレ補正(EIS)を組み合わせて手ブレ補正を強化しているそうです。
メインカメラのセンサーサイズは1/1.4型。レンズは35mm判換算時の焦点距離23mm、F値F1.65で、7枚構成のレンズを採用。800万画素の超広角カメラは同16mm、F2.2。マクロモードは200万画素なので画質面ではたいしたことはないのですが、レンズ前2~3cmほどまで近寄れます。
メインカメラの2億画素というのがポイントです。ピクセルビニングによって大きなセンサーサイズになるので、画質面で有利になります。HDRと組み合わせることで、広いダイナミックレンジで見た目以上の写真が撮れるようになります。
シャープネスは強めではっきりとした描写。リアルな描写で、通常のシーンでは写りは良好です。日中の屋外だと強力なHDRとくっきりした色味で見栄えがよく、夜景や屋内描写も安定して破綻はあまりありません。
ただし、上位モデルに比べると細部の描写や色再現などで差はあるようです。スマホカメラとしては悪いわけではないですが、このあたりはハイエンドモデル、特に20万円を超える「Xiaomi 14 Ultra」のようなカメラとは差を感じるところです。
カメラの機能としては、通常の写真/ビデオ/ポートレート/夜景/200MP/ドキュメント/プロ/パノラマ/ショートフィルム/スローモーション/タイムラプス/長時間露光と様々な機能が搭載されています。
200MPは、2億画素のメインカメラのデータをそのまま出力する機能です。ただ、極小のピクセルサイズになるため、画質はかなり低下します。加えて、レンズ自体が2億画素を描写するだけの能力がないため、あまり意味のあるモードだとはいえません。
カメラはメインと超広角、マクロしかないため、望遠はすべてデジタルズームになります。UI上は2倍/4倍のズームはワンタッチで切り替えられるようになっていて、2億画素を生かしたインセンサーズーム技術によるロスレスズームとされています。
ズームの詳細は不明ですが、2倍時は中央切り抜きしつつピクセルビニングをして、4倍時は2億画素から中央切り抜きしているのではないかと想像しています。こう考えるのは、少なくとも4倍ズーム時と2億画素時でおおむね同等の画質になっていたからです。2倍時はそれよりも高画質であることから、ピクセルビニングを使っている考えられます。
結果として、4倍ズームでの画質は「それなり」です。2倍ズームは十分高画質です。等倍表示をしなければ4倍ズームも実用的ですが、2倍と差があることは確かです。
撮影後のギャラリーアプリには面白い機能があり、通常の画像補正に加えて、「フィルター」として、「600F」「P100F」「V-250」などのフィルム調のフィルターを搭載しています。カメラのフィルムと思われる名前もあるので、その辺りの雰囲気を狙っているようです。「アートフレーム」機能と組み合わせると、さらにレトロ調の雰囲気のある作品として見栄えのする写真になります。
「消しゴム」機能は、最近はやりの画像内の一部をなるべく自然な形で消去してくれる機能。「オブジェクト」では消したい部分を指でざっくり囲むと、自動でオブジェクトを選択して消去。「人を消す」「食べ物の影を消す」は、自動で写真内を解析して削除してくれます。
日本向けの機能も万全
搭載するOSはAndroid 14ベースのXiaomi HyperOS。Xiaomiのスマホやタブレット、IoT機器などとの連携を重視したOSで、複数デバイスを持っていると特に威力を発揮します。基本的には最新のAndroid OSなので、単独でも問題なく利用できます。
全体的に完成度が高く、コストパフォーマンスの高い製品です。同社は「Xiaomi」「Redmi」「POCO」と日本でもラインナップを拡充していて、ニーズとコストに応じて選択できるようになっています。
「Redmi Note 13 Pro+」はおサイフケータイにも対応。現時点ではマイナンバーカードのスマホ用電子証明書搭載サービスの対応端末には入っていませんが、既存機種は対応しているため、今後の対応が期待できます。
国内ユーザー向けの機能も取り込んで充実したスペックで、コスパの良さを感じさせる端末に仕上がっています。