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最後発のLenovoが投入するハンドヘルドゲーミングPC「Legion Go」レビュー - デタッチャブルコントローラーの完成度はいかに

2024年01月01日08時00分 / 提供:マイナビニュース


LenovoのポータブルゲーミングPC「Legion Go」が、遂に日本国内での販売をスタートした。9月にグローバルで発表されて以降、レノボ・ジャパンのサイトに製品ページが用意されるなど、国内での発売を心待ちにしていた人も多いだろう。今回はLegion Goを今回はメーカーから借用し、使い心地や性能をチェックしご紹介していく。

着脱式コントローラーが特徴的なLegion Goの外観をチェック

さっそくLegion Goの外観をチェックしていこう。

まずは本体左右にコントローラーを取り付けたスタイルだ。ディスプレイベゼルも狭く、コントローラーを含めブラックで統一されており、ゲーム中の没入感は非常に高い。背面には通気口が設けられているが、コントローラー部のグリップも深いため、手に持った際に塞いでしまう心配はない。

本体に設けられたインターフェイスは、左右がコントローラーとなるため上下に集中している。
USB 4に対応するUSB Type-C端子は本体の上下に1つずつ設けられているので、充電・給電しながらのプレイ時はケーブルの取り回しがしやすい方に接続して利用するといいだろう。

ただし、キックスタンドを用い自立させて利用する際は本体下部のUSB Type-C端子は利用できないのは少々残念だ。

続いてコントローラーをチェックしていく。コントローラーは下部のトグルレバーを押し込むことで本体(タブレット部)から着脱することができる。このコントローラーのグリップは大型で深く、さらに表面にドットパターンが設けられているのでしっかりと握ることができる。

また各グリップ部に設けられたボタンも小さすぎず大きすぎず、握った際に各指にそれぞれのボタンを割り当てて操作することができる。

またコントローラーには「FPSモード」というおもしろいギミックが用意されている。右コントローラー下部に設けられたスイッチでFPSモードをオンにし、付属するスタンド「コントローラードック」と組み合わせることで「マウス」として動作させることができる。

見た目としてはフライトシミュレーターなどの専用コントローラーで見かけるジョイスティックのようだが、前後左右に傾けて操作ではなく、この状態で通常のマウスのように机上をスライドさせればマウスカーソルが動く、まさにマウスの挙動となる。

ジョイスティック型のマウスなので普段とは操作感が異なることに最初こそ違和感を感じるが、FPSモードでは左右のコントローラーに「FPSモードでのキー割当」を設定することができるため、Legion GoのFPSモードならではの使いやすいカスタマイズを行って利用するといい。

Legion Goには専用のハードケースと65W出力のACアダプタが付属している。ハードケースにはLegion GoだけでなくFPSモードで利用するコントローラードックも収納可能だ。ただ、どうせならACアダプタも入るようにしてほしかったところだ。

ACアダプタも小型ではあるものの、ケーブル部分は取り外しができないため、持ち運びに際してはより小型のACアダプタや、取り回しやすいケーブルを用意した方が便利だ。

デカめだけど軽い。ただコントローラーが少しグラつく

次に、Legion Goの実際の使用感についてだ。

Legion Goは左右のコントローラーのグリップも深く、両手で持った際のホールド感も優秀だ。
タブレット+着脱式コントローラーとして比較されるNintendo Switchと比べると本体サイズは一回り以上大きく、本体重量も約845gと決して軽くはないが、特に重たいと感じることはない。

Legion Goを起動するとデフォルトではポータルでありゲームランチャーでもある「Legion Space」が立ち上がる。ゲームストアもお馴染みのSteamなどを設定することも可能で、インストールされたゲームタイトルへのアクセスもコントローラーのカーソルキーやタッチパネルで行うことができるため、あまりPCっぽさを感じることなくゲーム専用コンソールとして扱いやすい。

また各種設定もコントローラーからすぐに呼び出せるため、このあたりも物理キーボードを持たない端末らしく、ゲーム専用コンソールらしい振る舞いだ。

ただ、本体とコントローラーの接続部の強度は少し心配で、試用中に時折接続部の遊びが気になることがあった。少なくとも「手に持ったまま持ち歩く」や「片側のコントローラーだけを握って運ぶ」ような持ち方は推奨できない。

またゲーム中に頻繁に利用する「メニューボタン」など、一部のボタンの位置が悪く、コントローラーを持ち帰るなどしないと指が届かない点は気になった。

それでも、不安に感じた点以上に後発製品らしい工夫や差別化はおもしろい。特に分離型コントローラーがマウスとして利用できるFPSモードのように、ハンドヘルド以外のスタイルで遊べるゲームタイトルの幅を広げている点は、ポータブルゲーミングPCの裾野を広げるLegion Goだけの強みになるだろう。


Legion Goの基本性能・仕様をおさらい

性能についてみていく前に、Legion Goの基本性能や仕様を確認していく。Legion Goに搭載されるプロセッサは、AMDのGPU統合型APU「Ryzen Z1 Extreme」だ。動作クロックは標準で3.1GHz、ブースト時の最大クロックは5.1GHzと高速で、8コア/16スレッドとモバイル向けのCPUとしてはハイエンドモデルとなる。

CPUは「Zen4」、そして内蔵されるGPUは「RDNA 3」を採用しており、どちらもAMDの最新アーキテクチャだ。GPUはモバイル向けながら12CUとパワフル。メインメモリはDDR5(LPDDR5X)で容量は16GB。ストレージはPCIe Gen4 x4接続のM.2 SSDで容量は512GBと、CPU以外も非常に高速だ。

ただしメインメモリはオンボードとなりユーザー側での交換、増設はできない。ストレージもユーザー側で容易にアクセスできる作りにはなっていないため、こちらも交換はできないと考えた方がいい。

ディスプレイは8.8インチのIPS液晶で、解像度はWQXGA(2,560×1,600ドット)、最大輝度は500cd/㎡だ。ゲーミングPCらしくリフレッシュレートは144Hzと高速で、10点マルチタッチにも対応している。

インターフェースは「USB 4」が2つ、外部ストレージとしてmicroSDスロットが1つ、3.5mmのイヤホンジャックが1つ。ワイヤレス通信はWi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応している。

本体サイズと重量は左右の着脱式コントローラーを取り付けた状態で約298×131×40.7mm、約845g。コントローラーを取り外した状態では約210×131×20.1mm、約639gだ。バッテリーは49.2Whのリチウムイオンポリマーバッテリーで駆動時間は最長で約7.9時間、充電時間は付属充電器利用時で約1.2時間だ。
Ryzen Z1 Extreme搭載で順当な性能

ここからはLegion Goの性能を、各種ベンチマークテストを実施し確認していく。ベンチマークテストは「CPU単体の性能」「オフィスユースなど一般的なPC操作における総合性能」「ゲームプレイを想定した高負荷時の性能」「内蔵SSDの読み書き速度」をベンチマークアプリを使用し実施した。

なおテストに際してはLegion Goを電源に接続し、パフォーマンスモードを「パフォーマンス」に、つまり最大の性能を発揮できる環境、設定で実施している。

まずはCPU単体の性能を3Dレンダリングを通してテストする「CINEBENCH R23」を実行し、Legion Goに搭載されたRyzen Z1 Extremeの性能をチェックした。シングルコアでは1719ポイント、マルチコアでは11337ポイントを記録した。

続いてブラウジングやオフィスソフトの操作、ビデオ会議など一般的なPC操作でのパフォーマンスを「PCMark 10」を実行し確認した。こちらもスコアとしては6808ポイントと高く、ハンドヘルドサイズのWindows PCとしてはかなり高性能といえる。

では、Legion Goで一番気になるゲーム性能はどうか。ゲーム性能は「3DMark」「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(以下、FF14ベンチマーク)」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(以下、FF15ベンチマーク)」、そしてAAAタイトルであり重量級タイトルである「Cyberpunk 2077」を実行し性能をチェックした。

3DMarkではテスト内容によりレンダリング解像度が変わってくる。

Legion GoのディスプレイがWQXGA(2560×1600ドット)であることを考慮し、WQHD(2,560×1,440ドット)解像度までのテストである「Time Spy(WQHD)」「Fire Strike Extreme(WQHD)」「Fire Strike(フルHD)」「Night Raid(フルHD)」を実行した。

実行結果はそれぞれ、2941ポイント、2406ポイント、3885ポイント、18358ポイントで、フルHD解像度であればテスト中でも動作はスムーズだったが、WQHD解像度となると動作が厳しい場面が目立つ。

FF14ベンチマーク、FF15ベンチマークについても同様にLegion Goのディスプレイ解像度にあわせた解像度設定でテストを行っている。FF14ベンチマークは今となっては軽量なゲームなのでベンチ結果ではフルHDであれば普通、FF15ベンチマークは現在でも重たいゲームなのでフルHDでは重たいという結果になった。

ゲームパフォーマンスの最後のテストは「Cyberpunk 2077」だ。ゲーム内に設けられたベンチマーク機能を用い、同作をプレイした場合の平均フレームレートの確認を行った。ベンチマーク用の設定だが、ゲーム解像度は「2,560×1,600ドット」「1,920×1,200ドット」「1,280×800ドット」の3パターンで、画面モードは「フルスクリーン」でテストを行っている。

またLegion Goに搭載されているCPU「Ryzen Z1 Extreme」の内蔵GPUはフレーム生成・アップスケーリング機能である「FidelityFX Super Resolution 3(以下、FSR 3)」に対応しているため、こちらの設定も有効にしている。これまでのテスト結果の通り、Legion Goには些か厳しいテストであることを考慮し、FSR 3の設定は「ウルトラパフォーマンス」に設定している。

テスト結果は1,280×800ドットであれば平均フレームレートで40fpsを超え、なめらかとまではいかないものの十分遊べると感じられる結果となった。1,920×1,200ドット以上では平均フレームレートはグッと下がってしまい、実際のプレイではストレスを感じるだろう。

そして性能テストの最後として、内蔵SSDのパフォーマンスをチェックした。テスト機のLegion Goに搭載されていたSSDはウエスタンデジタルの「SN740」だ。内部接続はPCIe 4.0 x4で、512GBモデルはシーケンシャルリードで5000MB/秒、シーケンシャルライトで4000MB/秒と、十分に高速なSSDだ。

パフォーマンステストには「CrystalDiskMark」を用い、プロファイルはNVMeに、テストパターンは通常に加え「All 0x00」の2パターンで計測を行った。どちらのテストでもシーケンシャルリードはスペック通りの結果を示した。

ここまでのテスト結果の通り、Legion Goのゲームパフォーマンスは本機がポータブル機と性能のアッパーに制限があることを考えれば決して低くはない。ただ高解像度のディスプレイを活かした精細なグラフィックス表示は荷が重く、HD解像度であれば多くのタイトルを場所や姿勢に縛られず楽しむことができるだろう。

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