2023年12月03日12時00分 / 提供:マイナビニュース
●家族や野球部時代の友人からの反響に喜び
俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『下剋上球児』(毎週日曜21:00~)で、越山高校野球部の一員、楡伸次郎(にれ・しんじろう)役を演じている生田俊平にインタビュー。本作出演について話を聞いた。
本作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。三重県立越山高校の弱小野球部の立て直しに奮闘する主人公・南雲脩司役を鈴木亮平、野球部部長の山住香南子役を黒木華が演じ、約半年間に及ぶオーディションを経て決定した12人の若手俳優たちが野球部メンバーとして出演している。
高校野球の名門・青森山田高校出身で甲子園出場経験を持つ生田が演じている楡は、野球の実力はあるがマイペースな問題児。先日放送された第7話で、視力が悪かったことが判明し、コンタクトをつけたことで見違えるようなプレーを見せた。
○■マイペースな楡伸次郎役「思っていたよりかわいく映っていてよかった」
生田は、楡役について「思っていたよりかわいく映っていてよかったです。台本を読んだ時に口数が少なくてちょっと怖いなと思ったんですけど、(演出の)塚原(あゆ子)さんがうまい具合にかわいくしてくださっていい感じです」と満足している様子。「しゃべらなすぎだねということになって台本よりもセリフを増えつつ、自由にやっていいという時もアドリブが使われたりしていい感じに」と話した。
放送を見ても日曜劇場出演の実感は「あまりない」とのことだが、周囲の反響によってじわじわと喜びを感じているという。
「両親やおじいちゃん、おばあちゃんから電話が来たりして、地上波の日曜劇場に出ているんだという実感がじわじわと湧いてきました。うれしいですね」
特に祖母や祖母の友人から大人気のようで、「おばあちゃんがすごく喜んでくれていて、この前、おばあちゃんの誕生日にビデオ通話がかかってきて、おばあちゃんの友達が10人くらい『楡~!』って手を振ってくれてじーんとしました。津軽出身なのですが、つがる市の反響はすごくいいです。うれしい限りです」とほっこりするエピソードを紹介。
野球部時代の友人からも「めっちゃ連絡来ました」と明かす。
「高校の時に部屋が一緒だった子から『マジでお前じゃん!』と言われて、『あれ俺!?』ってなったんですけど、打ち方も何もかも変わってないらしく、『あ、俺って客観的に見たら楡なんだ』って思いました」
野球シーンに関しては、ファーストライナーを実際に打たないといけないシーンが難しかったと振り返る。
「それ以外も2~3回ぐらいでできていたのでハードルが上がっちゃって、『楡ならできるぞ!』みたいな期待値が上がり、ファーストライナー打つのはやばいなと。手前で(ボールを)上げてもらって打って成功しましたが、一番難しいなと思いました」
甲子園出場も果たした青森山田高校での経験は、プレーはもちろん、芝居にも生きているという。
「強豪校にいましたが全然うまくないですし、同級生が2人プロになったのですが敵わないなと。すごく自信がない高校生活で、プレー以外で盛り上げたり、チームの雰囲気をよくする方向で役に立っていた部分が大きく、下剋上魂は野球をやっていた時からありました。今回の話は強豪ではなく弱小校ですが、泥臭さとかどこか自信がない部分は、強い高校に行っていたからこそ出しやすかったのかなと思いました」
○■同世代の俳優たちから刺激 奥野壮と仲良しに
本作では同世代の俳優たちが多数出演。生田は「刺激しかないです」と語る。
「仮面ライダーや戦隊に出ていた、(奥野)壮くん、(伊藤)あさひ、かつ(兵頭功海)の3人は芸歴も僕よりありますしし、スタッフさんへの対応や礼儀もしっかりしているし、アドリブ部分も自由にやってそれに僕たちが引っ張られていく感じがして、映像で演技を見てもすごいなと思います」
野球未経験者たちの成長にも驚かされているという。
「野球初心者の人たちの成長具合がすごくて、尊敬するぐらい。『こんなうまくなる!?』って。教えたりもしていたので親目線になっちゃうというか、『取れるようになってる!』『めっちゃ投げられるようになってる!』というのは本人にも言っています」
兵頭、福松凜、小林虎之介とは、同じく野球を題材にしたWOWOW『ドラフトキング』でも共演。本作で新たに仲良くなったのは奥野だと言い、役との向き合い方もリスペクトしているという。
「壮は話していて落ちつくし、一番仲良くなりました。ずっと休み時間にキャッチボールの腕の振り方をやっていてめっちゃ頑張っているなと思って、そういうかわいいところもあるし、熱い男なので内に秘めたものもあり、尊敬できる部分が壮にはあります」
楡は鼻にテープをつけているが、これは小林のアイデアとのこと。
「(鈴木敦也演じる)藤本先輩と髪型がちょっと似ているから違いをどこかつけないとダメだということになり、『細眉金髪はどう?』という話もありましたが、虎之介が『鼻のテープはどう?』と言って、みんな『いいね!』って。感謝しています(笑)」
●鈴木亮平と黒木華の演技から学び
鈴木との2人のシーンもあったが、うまくいった時に褒めてくれたとうれしそうに明かす。
「塚原さんが『もっと自分に寄せていい』と言ってくださって、それでやりすぎて『楡じゃなくなっている』と言われた時に、亮平さんが『セリフが面白いからそんなに欲しがらなくても大丈夫』と言ってくださって、実際にやってよかった時は『よかったよ』と肩をポンポンとしてくれて、うれしいですしモチベーションが上がりました。もっと頑張ろうと」
黒木については「まだ緊張しちゃうんです」と言い、「目が合うとにこって笑ってくれるんですけどキュンとしてニヤニヤしちゃうんです」と照れ笑い。「芝居の部分は全部拾ってくれて、セリフとアドリブの境目がないというか、現場でずっと山住先生としていらっしゃるのはすごいなと思います」とも話した。
そして、鈴木と黒木を見て、「芝居を固めすぎない」という学びを得たと語る。
「今まではこうやってみようと考えて臨んでいたのですが、亮平さんも華さんも、考えていらっしゃるけど現場ではいろんな対応ができるような感じだったので、そこはこれからも活かしていきたいなと思います」
○■俳優として「少しだけ自信が持てました」 今までにない感覚も
本作に参加したことで、芝居に関して少し自信がついたと手応えも口に。
「お芝居経験もそこまでないですし、楡をどう演じようと思っていたんですけど、塚原さんも球児のみんなも『すごくいいよ』と言ってくれて、少しだけ自信が持てました。また、現場を楽しめる感覚は今までにない感覚で、これからも頑張っていきたいと思えたのはこの作品のおかげです」
さらに、俳優として飛躍したいと力強く語る生田。
「僕も含め、球児たちがみんな今後も活躍していったら、『下剋上球児』すごいメンツがそろっていたんだなとなり、それが塚原さんや(プロデューサーの)新井(順子)さんへの恩返しになると思うので、ここで止まらずに頑張っていきたいです!」
最後に、楡の見どころについて「楡はコンタクトをつけてから“覚醒・楡”になります! プレーも含め、今まではちょっと閉じこもっていましたが、だいぶ協調性が出てきたので、そういう変化も楽しんでいただけると思います」と語った。
■生田俊平
1998年4月3日生まれ、青森県出身。野球歴13年。青森山田高校時代に甲子園に出場。俳優としてはABCテレビ『ふたりの背番号4』(2022)、WOWOW『ドラフトキング』(2023)などに出演。
(C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO、Len