2023年11月01日08時00分 / 提供:マイナビニュース
2025年4月から10月まで大阪の夢洲で開催される2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)。10月18日には、民間パビリオンに出展する全13社のうち、6社による第2回 パビリオン構想発表会が開催された。発表会では大阪・関西万博のスペシャルサポーターを務めるWebメディア「QuizKnock」の伊沢拓司氏、鶴崎修功氏をファシリテーターに迎え、6社によるトークセッションも実施。両氏からの好奇心旺盛な質問に出展社が真っ向から応じ、パビリオンへの期待感をのぞかせるトークが繰り広げられた。
本稿では、民間パビリオン出展社6社が発表したパビリオン構想について、詳細にレポートする。
吉本興業ホールディングス「よしもと waraii myraii館」
吉本新喜劇のテーマをBGMに登場したのは、吉本興業ホールディングス 代表取締役副社長 泉正隆氏。「パビリオンに来場した方が笑顔になれる企画」(泉氏)として、言葉や文化を超えた展示・コンテンツを提供する構想が語られた。
パビリオンの外観は、アートディレクターのMASARU OZAKI氏、クリエイティブディレクターのクラパット・ヤントラサー氏、キュレーションに秋元雄史氏、総合プロデューサーへ小松純也氏を迎えるなど、各領域のスペシャリストを招聘して建築される。
「よしもと waraii myraii館では、各々がクリエイターである芸人・タレントの方々のクリエイティブを結集します。笑顔から生まれる幸せを体現するパビリオンを作ります」(小松氏)
パソナグループ「PASONA NATUREVERSE』
パソナグループのパビリオンでは、手塚プロダクションが手掛ける人気キャラクター「鉄腕アトム」と「ブラックジャック」をナビゲーターに迎える。どうやら、鉄腕アトムは最新の技術を使って“新たな姿”でお披露目されるようだ。
パビリオンは「いのちの歴史ゾーン」「からだゾーン」「こころ・きずなゾーン」の3エリアに分かれ、さまざまな展示が行われる。
発表会にはいのちの歴史ゾーンにおけるモニュメント「生命進化の樹」を手掛けた東京大学大学院 教授の池上高志氏も登壇。「なぜ、水と太陽と土から生命が生まれているのかを理解できるようにしていきたい」と話すように、地層のようなデザインから命が紡いだ歴史を表現する。
パソナグループ 常務執行役員 伊藤真人氏は今回のパビリオンについて「私たちの挑戦にご期待ください」と強い意気込みを見せた。
「創業以来、社会の問題点を解決するためにさまざまな挑戦をしてきました。今回の万博で我々が発したメッセージが、50年後、100年後の未来の人々の社会課題の解決につながるようなパビリオンを作ります」(伊藤氏)
ゼリ・ジャパン 「BLUE OCEAN DOME」
「海の蘇生」をテーマに作られた球体型のパビリオンでは、地球や海への行動や態度変容を起こせるような体験を提供する。海洋資源の持続的活用と、海洋生態系の保護について、来場者が楽しみながら学べる展示を想定しているという。
ゼリ・ジャパン 事務局長 竹内光男氏は「万博の超目玉となるような演出で来場者を迎えたい」と語る。
外観は3つのドームで構成され、各ドームが違った素材で建築される。修正加工された竹、再生紙、カーボンファイバーといった再生素材を使った建物がつくられるそうだ。
今回万博が行われる夢洲は、元々ごみ処理場として焼却物や建設残土から生み出された土地でもある。海に立つ地での万博だからこその演出が行われるようだ。
バンダイナムコホールディングス「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」
バンダイナムコホールディングスでは、同社が手掛けた世界的ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」を主軸コンテンツに据えて「命とのつながり」「技術との共存」を伝えるパビリオンを展開する。
同社 チーフガンダムオフィサー 藤原孝史氏はパビリオン名に含まれた「NEXT FUTURE」についてこう語る。
「ガンダムの可能性だけにとどまらず、ガンダムを通じて未来を考えることを意味しています。さまざまな思いを持った世界中の皆さまをお迎えします」(藤原氏)
パビリオンの外観は、未来のスペースエアポートをイメージしており、見え方は昼夜によって変わるという。人類が宇宙に生活圏を伸ばした世界観を表現しており、ガンダムの世界観から人類の“NEXT FUTURE”を体感できるようだ。
飯田グループホールディングス「サステナブル・メビウス」
飯田グループホールディングスは、かねてから大阪公立大学と共同研究・開発を行ってきた。その成果を「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博へ出展するかたちだ。
飯田グループホールディングス代表取締役専務 西野弘氏からは、外観デザインが発表された。「サステナブル・メビウス」のコンセプトの下、西陣織をまとうメビウスの輪を形取ったパビリオンを建設する。
同パビリオンは建築家の高松伸氏によってプロデュースされる。西野氏はそのデザインについて「輝く命への思いや希望をメビウスの形に表現した」と説明した。
「先進技術のように、時と共に変化していく技術と伝統技術のように、未来へ継承すべき技術の2つを織り成して、『いのち輝く未来社会』を作っていくという思いを込めています」(西野氏)
大阪外食産業協会「ORA 外食パビリオン宴~UTAGE~」
正会員社数は200社を超え、4年に一度の周期で食博覧会を開催している外食産業団体である大阪外食産業協会。その組織力と企画実行力をもって大阪・関西万博へ出展する。
「食べる、笑う、生きる。それは『輝くいのち』そのものだ!」をコンセプトに「新・天下の台所」を夢洲のパビリオンへ実現するという。同館では食を体験できる場所として、食事の提供だけではなく食育や食体験を提供するそうだ。万博でのお披露目を見据えた「新・大阪名物」も現在企画中とのことだ。
食博覧会実行委員会 広報本部 本部長 森田佳代子氏はコンセプトについて、その大阪らしさを語る。
「大阪は食を通じて人を笑顔にしてきた街です。おもてなしやユーモアを忘れず、大阪の食には必ず人がいて、熱が宿っています。効率を求める世の中でも、自由でヘンテコな人のにぎわいこそが未来の大事な栄養だと思います」(森田氏)