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Windows Server管理入門 - レガシーサーバのEoS対応編 第16回 Windows ServerのAzure Editionだけで利用できる最新機能

2023年10月18日07時00分 / 提供:マイナビニュース

Windows Server 2022には、Datacenter、Standard、およびEssentialsの他に、もう1つ、AzureおよびAzure Stack HCI上のインスタンスとしてのみ実行できるWindows Server 2022 Datacenter Azure Editionが存在します。この特別なエディションはDatacenterのすべての機能に加えて、Azure Edition限定の機能があります。
Windows ServerのAzure Editionとは

「Windows Server Datacenter: Azure Edition」は、クラウドまたはオンプレミスとクラウドのハイブリッド環境において、Azureでの実行に最適化され、仮想化に重点を置いたWindows Serverの特別なエディションです。

仮想マシン(VM)での実行のみをサポートしており、物理環境へのインストールはできません。Azureでは追加のライセンス要件なしでデプロイおよび実行できます。オンプレミスでは、Azure Stack HCI上のインスタンス(Hyper-V VM)として実行することができます。ただしその場合、ソフトウェアアシュアランス(SA)またはAzure Stack HCI向けのWindows Serverサブスクリプションライセンスが必要です。

最新のWindows Server 2022 Datacenter: Azure Editionは、Windows Server 2019およびWindows Server 2022ベースのプレビューを経て、2021年11月に一般提供されたAzure Editionの最初のバージョンになります。

Azure Editionだけの機能

Windows Server 2022 Datacenter: Azure Editionの場合、Windows Server 2022 Datacenterのすべての機能に加えて、Azure Editionだけに提供される、以下に示す複数の新機能を利用することができます。

・ホットパッチ(Hotpatch)
・SMB over QUIC
・記憶域レプリカのデータ転送の圧縮
・Azure用拡張ネットワーク(Azure Extended Network)

ホットパッチは、OSの品質更新プログラムを再起動なしでインストールできるようにした技術であり、3カ月ごとのベースラインの更新プログラムと、その間2カ月の再起動不要なホットパッチの組み合わせで、セキュリティを維持しながらの長期稼働を実現します。

3カ月ごとのベースラインの更新プログラムは、通常のWindows Server向けの品質更新プログラム(累積的な更新プログラム)と同様に、インストール後にOSの再起動が必要になります。2023年は1月、4月、7月、10月にベースラインの更新プログラムがリリースされます。ベースラインの間の2回の月次更新は再起動不要のホットパッチで運用することができます(ただし、別の更新プログラムが再起動を要求する場合があります)。

ホットパッチはWindows Update(デスクトップエクスペリエンスのWindows Update、Server CoreのSconfigユーティリティ)を使用して取得することができるほか、Azure Update Management(Azureポータルの「更新プログラム)」のパッチオーケストレーション機能で自動化することもできます。

Azureポータルの「更新プログラム」では、1回限りの更新を手動実行することもできます。ホットパッチのリリース履歴はAzure Automanage for Windows Server 2022 のホットパッチのリリース ノートで確認することができます。

Server CoreベースのAzure Edition Coreイメージはホットパッチ対応です。デスクトップエクスペリエンスのホットパッチ対応は2023年7月に一般提供されたばかりで、利用するにはホットパッチ対応のギャラリーイメージ(Azure Edition Hotpatch)を使用する必要があります。

SMB over QUICは、インターネットなど信頼されていないネットワーク経由で、SMBファイル共有に対するアクセスをHTTP/3(TLS 1.3)の無効にできない暗号化トンネル(UDP/443を使用)で保護します。Azure EditionのSMB over QUICは、WACで構成することができます。SMB over QUIC経由のSMB機能は、シームレスに通常通り動作します。

記憶域レプリカのデータ転送の圧縮は、OSビルド20348.1070以降(2022年9月のCリリース)以降で追加されたAzure Editionの新機能です。Azure Editionでは、転送元と転送先のネットワーク経由で転送されるデータの圧縮機能を提供できます。

Azure用拡張ネットワークは、この連載の前々回(14回)で説明したWindows Admin Center(WAC)のハイブリッド機能の1つです。

仮想アプライアンスとして機能する2台のWindows Server VM間(1台はオンプレミス、もう1台はAzure側のAzure Edition)の双方向VXLANトンネルを使用して、オンプレミスのネットワークをAzure vNetに拡張します。これにより、オンプレミスのVMをAzureに移行するときに、元々のプライベートIPアドレスを維持したまま移行することが可能です。
Azure Editionは年次メジャーアップデート

Azure Editionは約3年ごとの長期サービスチャネル(LTSC)と年次アップデートのリリースが予定されており、年次アップデートはOSのフルアップグレードではなく、Windows Updateを通じて機能更新プログラムとして配信される予定です。

つまり、この方針に変更がなければ、2023年内に初めての年次アップデートがリリースされる予定です(2023年8月31日にプレビュービルド、25941がリリースされました)。OSのライフサイクルサポートは、Windows Serverの通常のエディションと同様にメインストリーム5年と延長サポート5年の長期サポートが提供されますが、Azure Editonは最初の3年間に2回の年次アップデートを受け取ることになり、Windows Serverの通常のエディションよりも、早く新機能が利用可能になります。

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