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「デジタルスキル標準」を活用した人材育成とは?8月の改訂で生成AIが追記

2023年08月30日08時41分 / 提供:マイナビニュース

AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組むエクサウィザーズは8月24日、クライアント企業・パートナー会社と協力して先進的なDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを紹介するイベント「ExaWizards Collaboration Day」を実施した。

本稿では、経済産業省の商務情報政策局 情報技術利用促進課長の内田了司氏による「デジタルスキル標準を活用したDX推進人材の育成」というテーマの基調講演を紹介する。

経済産業省が進めるデジタルスキル標準を活用した人材育成

最初に内田氏は、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」「経済財政運営と改革の基本方針2023」という、政府全体の政策方針におけるデジタル人材育成の考え方について説明した。

「デジタル田園都市国家構想総合戦略」は2022年12月に閣議決定、専門的なデジタル知識・能力を有し、デジタル実装による地域の社会課題解決を牽引する人材を「デジタル推進人材」と位置付け、育成・確保していくとしている。

同戦略では、経済産業省が定義した「ビジネスアーキテクト」や「データサイエンティスト」などの人材を含む地域や産業分野においてデジタル実装を行うために必要な知識や能力を有する人材を、2024年度末までに年間45万人の育成体制を構築することを目指している。

「デジタルスキル標準(DSS)」は、経済産業省が2022年12月に発表した、個人の学習や企業の人材確保・育成の指針である。

「企業のデジタル化の担い手は、IT人材からDX人材へと変化していることを踏まえ、DX時代の人材像をデジタルスキル標準として整理しました。デジタルスキル標準の活用を通じて、DXを専門家に丸投げせず、経営者を含む全員がDX推進を自分事ととらえ、企業全体として変革への受容性を高めていくことが重要だと考えています」(内田氏)

このデジタルスキル標準は、全てのビジネスパーソン(経営層含む)を対象とした「DXリテラシー標準」と、5つの職種を中心としたDXを推進する人材を対象とした「DX推進スキル標準」の2つに分けられている。

「DXリテラシー標準」は、ビジネスパーソン一人ひとりがDXに関するリテラシーを身につけることで、DXを自分事ととらえ、変革に向けて行動できるようになることを目的とした指標。各人がDXに参画し、その成果を仕事や生活で役立てる上で必要となるマインド・スタンスや知識・スキル(Why、What、How)を定義し、それらの行動例や学習項目例を提示している。

一方で、「DX推進スキル標準」は、企業がDXを通じて何をしたいのかというビジョン、その推進に向けた戦略を描いた上で、実現に向けてどのような人材を確保・育成することが必要になるか、適切に設定するための参考として設定されたもの。

DX推進に主に必要な5つの人材類型、各類型間の連携、役割(ロール)、必要なスキルと重要度を定義し、各スキルの学習項目例を提示している。

今年8月、デジタルスキル標準に生成AIが追記

続いて内田氏は、急速に生成AIが普及していることを受け、早くもデジタルスキル標準に改訂を加えたことを紹介した。

「生成AIの登場により、企業はDXの進展を加速し、競争力を向上させることができる可能性があります。あわせて、ビジネスパーソンに求められるデジタルスキルも変化し、より重要になる部分もあることから、2023年8月にデジタルスキル標準内のDXリテラシー標準に関して必要な改訂を実施しました」(内田氏)

「DXを自分事ととらえ、変革に向けて行動できるようになる」という位置づけは不変としながらも、生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方として「マインド・スタンス(変化をいとわず学び続ける姿勢)」や「デジタルリテラシー(倫理、知識の体系的理解など)」に関しての記述を追加した。

加えて、言語を使って対話する以上は必要となる、指示(プロンプト)の習熟、言語化の能力、対話力についての項目、また経験を通じて培われる、「問いを立てる力」「仮説を立てる力・検証する力」などに言及する項目が追記されている。

最後に、内田氏は「デジタルスキル標準の今後の活用・普及に向けた取り組み」について語った。

デジタルスキル標準の狙いは、企業内のDX人材を育成・確保する上での指標となることを述べた上で、実際に公開後半年で多くの企業がスキル標準への準拠を進め、顧客から人材育成でスキル標準をどう使ったら良いかとの相談が増えている、という反応があったことを説明した。

「これまで、DX推進、教育コンテンツ提供、人材のアセスメントといった努力がバラバラになってしまっていましたが、各企業の努力によってそれぞれがつながり、その中でデジタルスキル標準を活用していく新しい動きが出てきました。デジタルスキル標準を活用して、リスキリング市場が拡大していくことを強く期待しています」(内田氏)

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