2023年07月18日08時00分 / 提供:マイナビニュース
●『ポケモンスリープ』のゲーム性をおさらい
敏腕編集者の朝は早い。午前11時30分に目覚めると、パソコンを起動してすぐ仕事に取り掛かる。世の中の情報をスピーディにインプットしなければならないため、ぐっすり眠っている暇もない。
昨日は2時まで仕事のリサーチ(ゲーム)をしていたから、9時間30分しか睡眠時間を確保できなかった。短い休息でも、体に鞭を打ち、働かなければならないのだから、社会人は大変だ。健康面が心配になる。
そんな折、睡眠計測ツールとゲームが融合したアプリ『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』の先行体験の案内をいただいた。会場は新潟県にあるキャンプ場「Snow Peak HEADQUARTERS Campfield」。なぜキャンプ場でゲームの体験をするのだろうと不思議に思ったが、会場について説明を受けたら合点がいった。『ポケモンスリープ』の世界観に近い環境で、没入感高く作品を体験してもらおうという、株式会社ポケモンの粋な計らいである。
では、『ポケモンスリープ』に登場するカビゴンのように、自然のなかで大の字になって、自分の睡眠と向き合ってみようではないか。
○『ポケモンスリープ』ってどんなゲーム?
改めてゲームの説明をすると、『ポケモンスリープ』は、プレイヤーの睡眠とゲーム内のカビゴンの睡眠を連動させて楽しめるiOS/Android向けスマホアプリ。ポケモンの睡眠を研究するネロリ博士とともに、「ポケモン寝顔図鑑」を完成させるのが目的だ。リリースは2023年7月下旬を予定。基本プレイ無料で、ゲーム内通貨の「ダイヤ」購入や特典付きの「プレミアムパス」購入などの課金要素を用意する。
遊び方はとてもシンプルだ。基本的には、夜、寝る前にアプリで「ねむる」をタップし、ゲームを起動したままスマートフォンを布団の上に置くだけ。翌朝、眠った時間の長さが「睡眠スコア」として数値化され、カビゴンの育ち具合を示す「カビゴンエナジー」が掛け合わさり、「ねむけパワー」を決定する。
このパワーの大きさに応じて、さまざまなポケモンがカビゴンの近くに集まってくるので、「睡眠リサーチ」を行って、ポケモンたちのかわいらしい寝顔を「ポケモン寝顔図鑑」に登録していく。
では、日中は何もできないのかというと、そんなことはない。昼はカビゴンを育成するフェーズだ。朝、集まってきたポケモンたちに「ポケサブレ」を食べさせて仲良くなると、「おてつだいポケモン」として「きのみ」や「食材」を拾ってきてくれるようになる。
食材は、朝・昼・夜の1日3回までカビゴンに食べさせられる料理に使用。きのみは、おやつ感覚でカビゴンがそのままパクパクと食べる。カビゴンが料理やきのみを食べると、エナジーが増加。ゲーム内で出会うカビゴンは、個体によってきのみや料理の好みが異なり、好きなものを食べるとより多くエナジーが増加する。
ただし、長時間のプレイは不要。アプリを起動しなくても「いつのまに育成」として、おてつだいポケモンたちがカビゴンを育ててくれるので、手が空いたらカビゴンに料理を作ってあげる程度で十分だろう。それ以外は、たまに「きのみ」をチェックするくらいしかやることがない。日中ほかのゲームをプレイしていても遊べるようデザインされている。
1日の流れはこんな感じ。昼にカビゴンを育成し、夜はカビゴンと一緒に眠り、翌朝ポケモンたちの寝顔を観察する。これを1週間繰り返すと、育てたカビゴンともお別れだ。月曜日には場所を移動して新たに出会ったカビゴンを育てていく。
●新潟県でガチキャンプ! 眠れない先行体験会
○初めての睡眠計測は新潟県のキャンプ場
さて、アプリの先行体験会に話を戻そう。ゲームの性質上、体験するためには睡眠が不可欠。そのための1泊2日キャンプだ。
体験会の会場に到着したのは13時ごろ。アプリの紹介や質疑応答などを行ったのち、参加メディアごとに用意されたテントへ向かう。テント自体はSnow Peakのスタッフさんが設営してくださったようで、自分でやるのはマットに空気を入れるくらい。それならすぐに終わるだろうと思っていたのだが、そうはいかなかった。
なぜならば、テントの中は言葉にならないほどの暑さだったからだ。天候はまさに「ひでり」。雨が降りそうな気配があるものの、テントに向かうタイミングで、日差しが強くなった。まずは風を通そうと、テントのファスナーを開けるが、暑すぎて1カ所開けるごとにたまらず外へとんぼがえり。マットの空気を入れ終わるころには、汗がハイドロポンプのように流れていた。
そして、夜はBBQにスパ。汗をかいて、満腹になり、汗を流す。なんだこれは。至れり尽くせりの快眠コースではないか。最高のコンディションでアプリを体験できるに違いない。そう確信していた。
懸念点があるとすれば、就寝時刻が21時であること。普段ならまだ仕事をしていてもおかしくない。だが、マットに空気を入れただけで体力を使い切ったからか、疲労はピークに近づいていた。そのため、思いのほかすぐに眠りにつけた……なんてことはまったくなく、案の定、21時にはまったく眠れる気がしなかった。
しかも、夜になっても手加減なしで襲いくる暑さ、雨がテントを打ち付ける音、虫がテントにぶつかる音など、普段と異なる環境が安眠を妨げる。「測定のためにしっかり寝なければ」と気負えば気負うほど眠気が遠ざかり、一瞬うとうとすることはあったが、何度も目が覚めてしまう。さらに、日が昇るころには、野鳥たちの大合唱。4時台だったが観念して起きることにした。
はたして、睡眠計測はどんな結果になったのだろうか。恐る恐る「睡眠リサーチ」を開始する。すると、睡眠スコア「75」と、予想以上の数値を計測。目を閉じてじっとしていた時間が多かった印象だが、6時間23分もの睡眠を記録できた。新潟まで来て計測失敗はシャレにならないので、何はともあれ、ちゃんとスコアを出せたことにほっと胸をなでおろす。
ちなみに、90分未満の睡眠だと計測ができず、8時間30分以上の睡眠でスコアが100点になる。夜でなく昼に睡眠をとることも可能。1日に2回まで睡眠計測を行うことができ、時間は合算されるが、スコアが100以上になることはない。
プレイヤーの睡眠は「うとうとタイプ」「すやすやタイプ」「ぐっすりタイプ」に分類され、それぞれのタイプのポケモンたちが集まってくる。今回「うとうとタイプ」だったので、同じタイプのフシギダネやキャタピー、デルビル、グレッグル、コダックがカビゴンの近くで眠っていた。
フシギダネは「こうごうせい寝」、デルビルは「のび寝」と、ポケモンごとにさまざまな寝顔を見られるのも楽しい。なによりもそれぞれの寝顔はとてもキュートである。開発メンバーの方が、「寝顔はかなり時間をかけて、かわいさを追求した」と話していたので、ほかのパターンにも期待が膨らむ。
●家に帰ってから約1週間『ポケモンスリープ』をプレイした
○先行体験会後も毎日睡眠計測を行ってみた
こうして、1泊2日の先行体験会は幕を閉じた。帰りの新幹線で爆睡したことは言うまでもないだろう。
しかし、『ポケモンスリープ』は1日寝たら終わりではない。先述したように、カビゴンの育成は1週間のサイクル。初回睡眠のチュートリアルは1日でカビゴンとサヨナラバイバイだが、2日目以降のカビゴンとは次の月曜日まで寝食を共にする。自分の睡眠傾向をしっかり把握するためにも、継続的に測定したほうがいいだろう。そのため、先行体験会が終わってからも、毎日睡眠を計測してみた。
2日目の夜は、前日の寝不足と疲労があったからか、寝付くまでにかかった時間はわずか7分だった。睡眠時間は10時間43分を記録。かなりぐっすり眠れた印象だったが、睡眠タイプはすやすやタイプと判定された。
集まってきたポケモンはコラッタ、ヤドン、ヒトカゲの3匹。寝顔はすべて星1つである。レアな寝顔にはそう簡単には出会えないのだろう。なお、ポケモンの寝顔はポケモンごとに複数種類存在する。レア度は最大5つ星までありそうだ。
3日目は寝る前にビールを飲んでみた。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をプレイしながら、500ml缶2本をグビグビとのどに流す。キンキンに冷えて悪魔的にうまいやつ。そう、この瞬間のために生きていると言いても過言ではない。
しかも、2カ月かけてようやくたどり着いたガノンドロフ戦である。無事、クリアし、エンドロールを眺めながら、さらにビールをひとくち。27時を過ぎたころ、得も言われぬ多幸感を味わいながら眠りについた。
なお、『ポケモンスリープ』には、目標の就寝時刻を設定する「ねむりの約束」機能が搭載されている。約束した時刻に眠ると、翌朝スタンプカードにスタンプを押してもらえて、報酬を受け取れる。筆者の設定は27時。約束通りだ。
目が覚めたのは8時22分。10時間も寝た次の日は、約半分の5時間21分の睡眠だった。ビールを飲んだので眠りが浅かったのかと思いきや、この日はぐっすりの割合が多く、ぐっすりタイプと判定された。
集まってきたポケモンはピチュー、ソーナノ、ププリン、ヨーギラス。ちなみに、データが少ないうちの睡眠タイプの判定は、一般的な睡眠データと比較されるが、繰り返し測定していくと、過去の自分のデータと比較して決定されるようになるという。そのため、常に眠りが浅い人でも、ぐっすりタイプのポケモンの寝顔を集められる。
○4日目には“第4の睡眠タイプ”が登場した
4日目もビールを飲んだ。翌朝、目が覚めたら、いつものように睡眠リサーチを開始。もはや寝起きの日課のようになっていた。
今日もよく眠れたから、きっとぐっすりタイプだろうと思ってスマホの画面を見ると、そこに書かれていたのは、「ぐっすり」でも「すやすや」でも「うとうと」でもない。“第4の睡眠タイプ”だった。
その名も「とくちょうなしタイプ」。バランスよく眠れた結果なのだろうか。集まったポケモンはグレッグル、コダック、マダツボミ、チコリータ、コラッタの5匹。うとうとタイプ4匹、すやすやタイプ1匹と複数のタイプのポケモンが集まっていた。全タイプのポケモンが現れるのかもしれない。
4日目は「とくちょうなしタイプ」の判定だったが、きっと珍しいケースなのだろう。そう思って測定した5日目も「とくちょうなしタイプ」だった。筆者の睡眠は没個性なのだろうか。集まってきたポケモンはコラッタ、トゲピー、フシギダネ、ヒノアラシ、プリン。すやすやタイプ3匹、ぐっすりタイプとうとうとタイプが1匹ずつだった。
そして、まさかの、6日目も「とくちょうなしタイプ」。ここまできたら認めざるを得ないだろう。筆者の睡眠は特徴がないのだ。さまざまなタイプのポケモンが集まってくるので、寝顔図鑑を埋めるのには向いているかもしれない。
こうして、6日中3日が「とくちょうなしタイプ」と判定され、月曜日の朝を迎えた。週4回以上計測すると、1週間の睡眠の規則正しさを評価してくれるのだが、寝る時刻がバラバラだったからか、評価は「E」と低めだった。いつもなら不規則な睡眠でも気にならないが、改めて評価されると「もっと高評価を目指してがんばろう」と思うから不思議だ。カビゴンに別れを告げ、フィールドを選択し、次のカビゴンとさらなる睡眠研究に励もう。
約1週間プレイしてみて思ったのは、やはり毎朝起きるのが楽しみになるゲームだということ。何といっても、ポケモンの寝顔がかわいらしい。陰鬱な気分になりがちな朝に、最高の癒やしを提供してくれる。
寝ぼけまなこをこすりながら睡眠リサーチをしていると、徐々に目が覚めてくるので、脳を起こすのにもちょうどいい。睡眠という性質上、1日1回のプレイでも十分楽しめるようになっているので、肩の力を抜いて遊べるだろう。
なお、リリース時点で登場するポケモンは100種類以上。それぞれが異なる寝顔を見せるので、図鑑に登録できる数はさらに多い。最初は『ポケットモンスター 赤・緑』『ポケットモンスター 金・銀』に登場するポケモンが中心だが、リリース後のアップデートでほかの地方のポケモンも追加される予定だ。
©2023 Pokémon. ©1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
Developed by SELECT BUTTON inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
画面は開発中のものです。