2023年07月02日11時00分 / 提供:マイナビニュース
●台本を写真で撮るほど大好きだった『日ぐら』のシーンは?
ABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(毎週日曜22:00~)が、きょう2日に最終回を迎える。岡田惠和氏の書き下ろしとなる同作は、“おだいり様”岸田サチ(清野菜名)、“ケンタ”野田翔子(岸井ゆきの)、“わぶちゃん”樋口若葉(生見愛瑠)が出会い、ある奇跡が起きることで、行き詰まっていた人生が静かに動き出していくというハートフルストーリー。最終回では、いよいよ3人のカフェ「サンデイズ」がオープンを迎える。
今回は生見に、最終回を目前に『日ぐら』の思い出や共演者の魅力、この現場で得たものを聞いた。初出演映画では日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、ドラマに出演するたびにSNSでは高い演技力が話題となる生見。しかしそんな評価には「自信なんて全くありません」と本音を吐露する――。
○■清野菜名、岸井ゆきのとはドラマのように仲良し
――仲良し3人組を演じた清野さん、岸井さんとは、現場でどんな雰囲気でしたか。
本当にドラマのままです。めちゃくちゃ仲良しだし、皆せかせかしていなくて、いつもまったりしていました。一緒にランチに行ったときには、皆美容が好きなので、最近流行っている美容法やコスメについて話したり、清野さん、岸井さんにオススメのものを教えていただいたり、“THE 女子”みたいな会話で盛り上がっていました。
――そんな2人と共演して、女優としてすごいと感じたところを教えてください。
たくさんあるのですが、清野さんは、泣くシーンでドライ(カメラを準備する前のリハーサル)から全部泣かれるところに驚かされました。その後のテストや本番と、何回そのシーンを繰り返しても、すべて同じタイミングで、同じように泣かれるんです。私はできないのですごいなと思って「どうすればそんなことできるんですか?」と聞いたら「気合い!」と言われました(笑)。かっこいい!
岸井さんは、いかにも台詞を言ってるように見えてしまいそうな難しい台詞でも、本当に自然なんです! 動作1つとってもいつも翔子。すべてにおいて翔子で、お芝居が細やかですごいなと感動しました。
○■台本を写真で撮るほど大好きだったシーン
――第8話では、サチが若葉を「世界の宝物みたいな子」と表現するシーンがあり、SNSでも「本当にそう!」「泣きました」とたくさんの共感を呼んでいました。まさに若葉の魅力を言い表した素敵な言葉でしたが、生見さんにとってどんなシーンでしたか。
その台詞が書かれた台本を写真で撮ったくらい大好きなシーンで、おだいり様の強い言葉には私まで勇気をもらえました。リハーサルでは、清野さんと一緒に涙が止まらなくなってしまって。監督から「しんみりしたシーンにしたくないから、泣くところじゃない」と指示をいただいて頑張っていたのですが、それでもウルッと来てしまうくらい、清野さんのお芝居にグッと来たシーンでした。
○■「こんな母親いるんだ」と驚いた若葉の母・まどか
――若葉と二人三脚で歩んできた、宮本信子さん演じる“ばあちゃん”こと富士子とのシーンはどんな雰囲気でしたか。
長いシーンや特に大事なシーンは、本番前に宮本さんが楽屋に呼んでくれて、台詞合わせをして一緒に練習してくださったんです。本当に家族で話しているような自然な会話を目指して、「裏でもばあちゃんって呼んで、私も若葉って呼ぶから」と提案してくださったり、「映っていないときも視線を送って」とアドバイスをくださったり……細かいところも作り込んでくださったので、すごくありがたかったです。ばあちゃんとのシーンは一番ナチュラルに演じられた気がします。
――矢田亜希子さん演じる母親・まどかとは壮絶なシーンもありました。
こんな母親いるんだって、度肝を抜かれましたし、とにかく恐ろしかったです。矢田さんは裏では本当に優しくて。バラエティ番組で何度かお会いしていたので。一緒に演技ができてうれしかったです。
――今作を通して生見さんが得たもの、成長できたポイントを教えてください。
4カ月という長い期間にわたって1つの作品を撮影するのは初めての経験でした。大変なことももちろんありましたが、撮影するたびに皆さんと仲良くなっていったのは、ドラマと一緒だったなと思います。素敵な方たちと演技ができて、皆さんが細かいところまで考えてお芝居をしていることを知って勉強になりました。あとは台詞を覚えるスピードがめちゃくちゃ速くなりました。
●ずっとやりたかった芝居 人見知りな一面もきっかけに
○■台詞覚えは「多分めちゃくちゃ早い」
――台詞はいつもどうやって覚えているんですか。また、覚えるのは早いほうですか。
台本を頂いたときにまず1回見て雰囲気を頭に入れて、その後は他の現場でぱっと見て覚えることが多いですね。家だと覚えられなくて、ガヤガヤしているほうが頭に入ります。台詞を覚えるのは、多分めちゃくちゃ早いと思います。理解力はないのですが(笑)、記憶力だけはいいんです!
――記憶力の良さに気付いたのは何歳の頃ですか。
小学校6年生の頃です。イベントで会ったファンの子の香水や髪型を覚えていることに気付いて「もしかして私記憶力いいのかな?」と。
○■ずっとやりたかった芝居 人見知りな一面もきっかけに
――ファンの方もうれしかったでしょうね。生見さんは、いつ頃からお芝居への興味を持っていたんですか。
モデルと同じように、最初からずっとお芝居をやりたいと思っていました。
――その頃の演技の経験は。
何度かワークショップに行ったことがあるのですが、ほぼないに等しいですね。デビューした頃はダンスやウォーキングなどいろいろなレッスンを受けていたのですが、私は実はすごく人見知りで。レッスン場では人と全く話せなかったのですが、演技のレッスンだと、台本があるから自分が話さなくても、台詞で人と話すことができたんです。それがいいなと感じたことも、演技へ興味を持つ出来事の1つでした(笑)。
――好きな作品を教えてください。
舞台も見に行ったことがあるのですが『ヘアスプレー』です。今は勉強のためにいろいろな作品を見るようにしていますが、ハッピーなストーリーが大好きです。
○■演技は「本当に自信がない」高い評価や反響も予想外
――そんな生見さんは、初出演映画『モエカレはオレンジ色』で第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、出演ドラマが放送されると「こんなに演技が上手なんだ!」と驚きの声とともにお名前がトレンド入りするなど、今女優として大きな注目を集めています。この状況を率直にどう感じていますか。
演技の正解が分からないので、本当に自信がないんです。自分の作品もなかなか見られなくて、特に『風間公親-教場0-』(フジテレビ)はオンエアまで怖すぎて、「何か言われたら嫌だな…」と超ドキドキで。だから、まさかそんなにうれしい反響をいただけると思わなくて、もう予想外! って感じです。逆に怖い!(笑)
――(笑)。では、演じていて手応えを感じることはあまりないのでしょうか。
もう全然! いつも共演者の方々がすごく素敵なお芝居をされるので、刺激を受けながら私もただただ頑張ろうと取り組んでいるだけです。自信なんて全然ありません。
――とても謙虚ですね。生見さんの女優業の展望を教えてください。
今はいろいろな役に挑戦したいです。たくさん経験も積みたいし、どんな役でも印象付けられるような役者さんになりたいと思っています。
○■最終回は3人の過去を思い出しながら見届けて
――では『日曜の夜ぐらいは...』の話に戻りまして、いよいよ本日放送される最終回の見どころを教えてください。
ぜひ、第1話や最初の頃の皆を見返してから、最終回を見てほしいです。あんなに大変なことがあったとは思えないような幸せな最終回になっているので、3人の過去を思い出しながら見届けてほしいですね。ネタバレになってしまうので詳しくは言えないのですが、演じていて思わず感情があふれた若葉のシーンもあります!
――これまで一緒に過ごしてきた若葉へメッセージをお願いします。
おだいり様が、「嫌な過去はなかったことにはならないから、毎日楽しむことが一番の復讐」だと第8話で言ってくれたのですが、本当にその通りで。若葉はすでにそれができていると思うし、お姉さん2人に支えられながら無邪気に、すごく楽しそうに過ごしている若葉に「良かったね」と言ってあげたいです。
――最後に、つらいときに“高いアイス”を食べるというサチのアイデアが今作のいろんなシーンに登場しましたが、生見さんも撮影中に高いアイスを食べましたか。
食べました! ドラマをリアルタイムで見られるときは、高いアイスを食べながら見ていました。ドラマにも出てきたアイスはもともと好きだったのですが、本当に美味しいので食べると贅沢な気持ちになれます。
――最終回は視聴者の方も一緒に、“高いアイス”とともに楽しむのも良いかもしれませんね。ありがとうございました!
■生見愛瑠
2002年3月6日生まれ、愛知県出身。『CanCam』専属モデル(小学館)。“めるる”の愛称で親しまれ、『ヒルナンデス!』木曜日レギュラーなど、数々のTV番組に出演しながら、近年女優としても活動の幅を広げており、21年のドラマ『おしゃれの答えがわからない』でドラマ初主演を務めると、『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』、『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』に出演。22年公開の映画『モエカレはオレンジ色』ではヒロインを務め、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。23 年は映画『湯道』、ドラマ『風間公親-教場0-』に出演。